Kent Shiraishi Photo Blog

北海道美瑛町の大自然や身近な写真を、
海外へ配信するArtistの呟き。

Kent Shiraishi の「写真論」vol.4

2012年08月30日 | 500px
Kent Shiraishi の「写真論」vol.4

★生きた化石にならないよう努力する!

実は連日、毎日のように質問攻めです・・・笑

正直に言いまして答える時間が足りないので・・・
殆どお答えできません。
お許し下さい!

今回はその中で、多数の方がされた同じ質問についてお答えします。

もちろんこれから書く事は僕の考えであります。
ようするにKent Shiraishiの「写真論」です。

皆さんがどう考えるかは、ご自分の判断でお決め下さい。

さてその質問ですが、

「青い池」の撮影にPLフィルターは必要でしょうか?

要は撮影にPLフィルターが必要かどうか?
この手の質問が多かったです・・・。

結論から先に申し上げます。

僕は全ての撮影において、特殊なフィルターを使う時以外、
フィルターの類は一切使いません。

まず撮影時に絶対使わないのが「レンズ・プロテクト・フィルター」、
ようするに「レンズ保護用のフィルター」です。

PLフィルターも特殊な用途以外、通常使用する事はありません。

もちろん「青い池」の撮影には使いません!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ここから書く事は最も大切なことであり、
僕の「写真論」の理論的な考え方になります。

今私がメインで使用しているカメラ、
Nikon D800、あるいはD800E、

このクラスのカメラであれば、
上記フィルター使用は止めるべきです。

フィルターを使う事で、
光の質と量を落とし、
カメラの持つ潜在能力を下げる事になります。

難しい光の理論をここで書いてもしょうがないですが、
ようするに現在最高のカメラは、とても光りに敏感であり、

それ故に、レンズを通る前の光の質と量を変化させれば、
あとで取り返しのつかない事になります。

前回も書きましたが、

我々写真家のするべき大切な事は、

★クオリティの高いRAWデータを創作する事です。

撮影時に最高の画質で撮る事が一番大切であり、
現像術では画質を落とす事はあっても上げる事は出来ません。


またフィルム時代から撮影している写真家の中には、
デジタルになって撮像素子というフィルムと全く違うものを使っているにもかかわらず、

発想が昔のフィルム時代のまま進化していない方も多いのです。

私はずいぶん昔から、そういう方々を、言葉は悪いですが、
「生きた化石」のような人達と申し上げてきました。

このブログを読まれている皆様は、

生きた化石にならないよう努力して下さい!

ところで以前、フィルターメーカーの技術者と話した事があり、
その際次のような会話をしました。

「今のプロテクト・フィルターの形状を、ねじ込み式から、
キャップ式か何かに替えて撮影時に簡単に取り外せるようにすべきだと思います・・・。」

「・・・Shiraishiさんの理論は正しいかもしれませんが・・・、
メーカーとしては・・・難しいかもです・・・。」

こんな会話のやりとりがありました。

実はメーカーの技術者もフィルターによる弊害について理解しているのです。

だからそのメーカーでは、
プロテクト・フィルターも光の透過率を高めた高級なものを、
わざわざ数年前に発売しました。

しかしもちろん使わない事が一番良いに決まっています。

ただカメラの高級レンズを傷から守るという目的のために、
どうしてもないと不安であるという人には、
撮影時シャッターを切る際に簡単に取り外せるような構造にしたほうが良い。

そういう考えを述べました。

実際のところ、そうなれば一番低価格な保護フィルターで良いわけです。
写す時には外すわけですから・・・。

しかしそうなれば僕の理論の正しさを認めながらも、
メーカーとして商売になるかどうかが大切な問題ということです。

我々は与えられたものを鵜呑みにして使うのではなく、
自分の頭で「論理的に考える」習慣を身に付けたいものです。

特に今までこうやって使ってきたのだから・・・
これからもそう使う・・・。

この考え方では、
新しい時代、進化についていけません!

時代の進歩とともに、
自分の発想、考え方も進化させる必要があると思います。

後は皆さんの考え方次第ですね!


以上4回目を終了します


下記Facebookページで、
僕の最新情報やデジタル時代の風景写真がご覧いただけます。
(Facebookページはどなたでもご覧になれます!)

Kent Shiraishi Photography

追伸:

早速ご意見いただきました!

写真歴40年の方だそうです。

「…貴方の言っている事はけして間違いだとは思いませんが・・・
私は殆どいつもPLフィルターを使用しています。
別だんだからと言って困ることもないし、画質が落ちたとも思えません。
もし画質が劣化するというなら、実際の写真で証明して見せて下さい・・・」

さて・・・こういう質問を寄こす方はおよそ決まった方達です。
自分のされていることに疑問をまず持たない。

だいたい名前も名乗らずに、
「・・・証明して見せて下さい。」と書いてくるくらいですからね・・・笑

まあいずれにしましても「論理的発想」が出来ない方が多いと思います。

なぜならば、

「私は殆どいつもPLフィルター使用しています・・・。」こう書かれていますが、

これは言い換えるならば、

「私はいつも、わざわざ高級レンズを暗くして撮影している!」

そう書いてるのと同じです。

ようは家の中でもサングラスをしているようなものです。

レンズにとって一番必要なのは「光」です。

それを意味なく光量を落とすなど・・・僕には到底考えられません。

もちろんPLが必要な時もあります。
しかしそれは特別な場合であると考えています。

効く薬には副作用がある!
この事を考えないといけません。

しかも最新の高級デジタルカメラには、
この副作用の方がはるかに大きく害があるのです。

また、貴方は画質の劣化を証明しろと書いていますが、
それ以前の問題である事に気が付いていないようです。

例えば我々プロフェッショナルは、
露出一絞り、シャッタースピード一段階でさえ意味があり、
きちんと考えて決定します。

もちろんISO感度など当然です。

それなのにPLを安易に使えば、
当然暗くなり、必要な絞り、シャッタースピードが確保できず、
またアマチュアの最も多い愚かな発想で、

ISO感度を何も考えずに上げる!

こういう愚行を行う方がなんと多い事でしょう・・・。

ただしここまで厳しい事を書きましたが、
誤解しないで下さい。

もし貴方が「普通のアマチュアレベル」で満足されているなら、
私の書いた事は全て忘れて下さい。

僕は以前よりずっと書き続けていますが、

『一流のアマチュア、そして世界を目指す方』に向けて書いています。

大切な事は目標であり、ターゲットです。

僕が目指す事、ここで書いている事は、

★「最高画質のRAWデータを創作すること!」

この事が一番重要な事です。
もちろん可能な範囲でという意味ですが・・・。

何も考えずにPLをいつも使う事が・・・はたして最高画質になるかどうか?
ご自分で今一度良く考えてみて下さい!

最後に僕と同じ考え方で、「レンズに入射する光の量の大切さ」について、
一流のプロフェッショナルがセミナーしているのをご紹介します。

Photo Session「NIKON D800 & ニッコールレンズ~36メガピクセルを活かすプロフェッショナル撮影術」


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