皆さま
おはようございます!!
川口です。
さて今週も始まりました、お忙しい皆様の代わりに、
今抑えておきたい映画・音楽・小説などを、
自腹でみて、勝手に紹介するコーナー『今週のよいしょ』
※コミュニケーションの一環でお送りさせていただきます。
今週のよいしょはパク・チャヌク監督作品「別れる決心」
※松竹映画じゃなくて、すみません!
<あらすじ>
男が山頂から転落死した事件を追う刑事ヘジュンと、 被害者の妻ソレは捜査中に出会った。
取り調べが進む中で、お互いの視線は交差し、 それぞれの胸に言葉にならない感情が湧き上がってくる。
いつしかヘジュンはソレに惹かれ、 彼女もまたヘジュンに特別な想いを抱き始める。
やがて捜査の糸口が見つかり、事件は解決したかに思えた。
しかし、それは相手への想いと疑惑が渦巻く“愛の迷路” のはじまりだった・・・・・・。
<「別れる決心」は変だけど王道の恋愛映画!?>
『オールド・ボーイ』『お嬢さん』など
唯一無二のストーリーテリングで世界中の観客を魅了し続けてきた 巨匠パク・チャヌク監督の最新作は、
サスペンスとロマンスが溶け合ういわいるファム・ ファタールものとなっております。
「ファム・ファタール」とは、 元々は運命の女性を指す言葉だそうですが、
映画で使われる際は「男を狂わす魔性の女」 の意味合いが強いです。
本作でも、刑事へジュン(パク・ヘイル)と惹かれ合う
美しき容疑者ソレを演じたタン・ウェイのいわゆるファム・ ファタールといった枠に収まらない、
愛の愚かさと美しさが渾然一体となったロマンチックな展開がとて も素晴らしかったです。
また本作では、チャヌク監督の得意とする過剰なまでの
バイオレンス描写、ロマンス描写を封印し、
交錯する目線とプラトニックながらもなんとも艶やかなやりとりに 魅了されました。
私は28年間生きてきてやっと、
「相手を知りたいと思うこと」が恋愛の基本なんだなと気付くこと ができました。
(気づくのが遅い)
<なんで韓国映画ってすごいの?>
2020年は韓国エンターテインメントの1つの到達点だったと思 います。
2020年の3月にポン・ジュノ「パラサイト」 がアジア映画で初のアカデミー作品賞を受賞し、
同年9月、BTSが「ダイナマイト」 でアジア音楽で約50年ぶりのビルボードの全米1位をとりました 。
(ちなみに約50年前のビルボード1位は坂本九「 SUKIYAKI」(上を向いて歩こう)でした)
2000年代以降の韓国映画では、
ポン・ジュノ、パク・チャヌク、イ・チャンドンを筆頭に、
最近では、ヨン・サンポ「新感染」、キム・ボラ「はちどり」 など優れた映画作品がつくられ、
ドラマだとNETFLIXファン・ドンヒョクの「イカゲーム」 などの若い才能が開花しました。
音楽では、BTS、BLAKPINK、 TWICEは世界でも存在感を示し、
今年の紅白にも出場したLE SSERAFIM、IVE、
最近ではNEW JEANSの世界的ブレイクなど、 書きだしたらきりがないくらい、
本当に韓国エンターテインメントの勢いはすごいですよね、、、!
<1997年、INF国際通貨危機を乗り越えて、、、>
では、韓国エンターテインメントは、
なぜそこまで世界的な人気を博しているのでしょうか。
様々な理由がありますが、
国家単位でのバックアップが一番大きな理由だと思います。
1997年にINF国際通貨危機といわれる、 いわばバブルの崩壊が起きました。
それによって韓国の経済はめちゃくちゃになり、 失業者もたくさん出てしまいました。
そんな不景気を脱出するために韓国政府が押し出した3本の矢が
「IT産業の発展」「軍事産業の増強」
そして、「エンターテインメント産業の輸出」でした。
国がエンターテインメント産業に莫大なお金を出し、
クリエイターをバックアップすることで、 韓国エンターテインメントの花が開き始めました。
皆様も記憶に新しいと思いますが、
2000年ごろから、BOA、BIGBANG、KARA、 少女時代など、
世界の音楽マーケット2位の日本へ進出し、 ヒットを記録しております。
映画の分野では、
国がお金を出し、若い技術者をたくさんハリウッドへ送り込み( 留学)ました。
そして数年後、ハリウッドの技術を学び韓国へ戻ってきた人々が、
アカデミー作品賞を取った「パラサイト」を作りました。
下の写真はパラサイトの制作スタッフの集合写真ですが、
とても若いですよね!若い優秀な技術者が育っている証です。
また韓国は、日本の半分、人口5000万人ほどですので、
韓国国内のみではビジネスが成立しづらい、、
そのためマーケットの大きい日本や米国や世界各国へ輸出しなけれ ばならず、
必然的に世界の潮流を捉えたクオリティの高いものが多く作り出さ れているのかと思います。
2000年代入ってからの韓国エンターテインメントの活躍は、
1人の天才が生み出した奇跡なんかではなく、
膨大なお金、膨大な時間、そして人を育てる環境作り、
韓国の人々の努力の結晶だと私は思います。
そんなお手本の様なエンターテインメント新興国が
お隣にあることは日本にとっても幸せなことだと私は思います。
また来週も宜しくお願いいます!!!
そんな感じでした。
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