川口雄大の「よいしょ」

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<AIR/エア>第33回【今週のよいしょ】こんなお仕事映画が観たかった!!エアジョーダン誕生秘話「AIR/エア」編

2023-04-26 | 日記
皆さま
 
おはようございます!!
川口です。

 

さて今週も始まりました、お忙しい皆様の代わりに、

今抑えておきたい映画・音楽・小説などを、

自腹でみて、勝手に紹介するコーナー『今週のよいしょをお送りさせていただきます。

※コミュニケーションの一環でお送りさせていただきます。

 

 

さて!!今週よいしょは、

こんなお仕事映画が観たかった!!エアジョーダン誕生秘話!!!

マット・デイモンを主演、ベン・アフレック監督「AIR/エア」編です!!

 

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<あらすじ>
1984年、ナイキ本社に勤めるソニーは、
CEOのフィル・ナイトからバスケットボール部門を立て直すよう命じられる。
しかしバスケットシューズ界では市場のほとんどをコンバースとアディダスが占めており、
立ちはだかる壁はあまりにも高かった。そんな中、ソニーと上司ロブ・ストラッサーは、
まだNBAデビューもしていない無名の新人選手マイケル・ジョーダンに目を留め、一発逆転の賭けと取引に挑む。
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<ナイキのお荷物部門!?エアジョーダンの誕生秘話>

まずナイキの歴史を簡単にお伝えすると、ご存じの方も多いと思いますが、
ナイキはもともと、ブルーリボンスポーツ社という名前で、

日本のオニツカタイガー(アシックス)の販売代理店でした。
そこから、ナイキは「下請けではなく自由にシューズを作りたい」という思いが芽生え、
1971年に新ブランド「ナイキ」を設立しました。
 

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↑ナイキの前身、ブルーリボン社の1966年サンタモニカ一号店
 
そこから13年後の1984年当時(この映画の舞台)は、
金メダリストのカール・ルイスがナイキのシューズを履くなど、
ナイキはランニングシューズのトップブランドではあったものの、
ナイキのシューズを履きたいというバスケのトップ選手はほぼいない状態でした。
 
当時のバスケシューズのシェアはコンバースが54%を占めており
続いてアディダスが29%ナイキのシェアは19%と、
業界3位の地位に甘んじており、経営を圧迫。
社内でもたびたび廃止案が浮上するなど、お荷物部署としてギリギリの日々を送っておりました。
今のナイキを知る我々にとっては驚きですよね。
 
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↑ナイキの超有名ロゴ「スウッシュ」。
このロゴは、当時大学生だったキャロライン・デイビッドソンが35ドルのデザイン費で生み出しました。
 
 
特に北米ではHIPHOPアーティストやラッパーがアディダスのジャージやスニーカーを着用し、
いま一番イケてるブランドとして勢いがあったのは断然アディダスでした。
 
もちろん、マイケル・ジョーダンもアディダスとの契約にノリノリ。
それを如何に覆し、「エア・ジョーダン」は如何に生まれたのかを実話ベースで描いたのが本作です。
 
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<これぞ最高のお仕事映画であり、アメリカ映画>
私が本作をとても好きで愛している理由が、
良くできたお仕事映画であり、これぞアメリカ映画だと感じるからです。
 
本作には、アメリカ文化の引用が随所に散りばめられています。
特に印象に残っているのは、主人公ソニーの大事なプレゼンの場面を、
キング牧師のワシントン大行進の際の歴史的演説 " I have a dream "に重ね合わせた演出には、
落涙し、心の中でスタンディングオベーションでした。
 
人の心を動かすことができるのは、そこに信じたくなる物語があるからであり、
信じたくなる人物がいるからだと教えてくれました。
結局色んな事を計算したり計画してやっても、
人の心を動かすのはいつだってその熱意だったりするんですね。
 
そして、そのメッセージが何よりも説得力があるのは、
幼稚園からの幼馴染のふたり、
監督のベン・アフレックとマット・デイモンのお互いの絶対的な信頼感を感じられるからです。
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完璧ではない資本主義の中で最良の選択をする事、
そこから生まれ受け継がれていくカルチャーの話であり、
80年代の西海岸、アメリカ、そして、情熱と人々の夢をのせた最高のアメリカ映画でした!!
 
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<おまけ:「ボーン・イン・ザ・USA」は愛国的な歌じゃない!?>
個人的に好きだったところの一つで
当時流行歌だったブルース・スプリングスティーンの「ボーン・イン・ザ・USA」を
社長のフィルが毎朝車の中で熱唱しながら出勤しているシーンが何度か描かれます。
 
この曲は、アメリカのトランプ前大統領やレーガン大統領が
選挙運動の際この曲を利用して投票者を獲得して話題になりました
 
しかし、曲の雰囲気とは違い「ボーン・イン・ザ・USA」は、
ベトナム戦争で傷ついた兵士たちの働き先がないっていう嘆きと怒りの歌なんですよね。
つまり、明確に反戦の歌であり、愛国賛歌ではないんですよね。
意味も知らずに演説の入場曲として、かけていたトランプ前大統領へのアイロニーを感じました。
 
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そんな感じでした。
また来週も宜しくお願い致します!!
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