川口雄大の「よいしょ」

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<ウエスト・サイド・ストーリー>第17回【今週のよいしょ】60年前の名作をリメイク! スティーブン・スピルバーグ監督作品『ウエスト・サイド・ストーリー』編

2023-01-06 | 日記

皆さま

おはようございます!!

 

さて今週も始まりました、お忙しい皆様の代わりに、

今抑えておきたい映画・音楽・小説などを、

自腹でみて、勝手に紹介するコーナー『今週のよいしょをお送りさせていただきます。

※コミュニケーションの一環でお送りさせていただきます。

 

 

今週よいしょ スティーブン・スピルバーグ監督『ウエスト・サイド・ストーリー』でございます!

週末見られた方も多いのではないでしょうか。

 

 

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予告:https://www.youtube.com/watch?v=QgxPtRinb0o

松竹映画でなくて、すみません!!

 

【あらすじ】 

夢や成功を求め、多くの移民たちが暮らすニューヨークのウエスト・サイド。 

だが、貧困や差別に不満を募らせた若者たちは同胞の仲間と結束し、各チームの対立は激化していった。

 ある日、プエルトリコ系移民で構成された“シャークス”のリーダーを兄に持つマリアは、

対立するヨーロッパ系移民“ジェッツ”の元リーダーのトニーと出会い、一瞬で惹かれあう。

この禁断の愛が、多くの人々の運命を変えていくことも知らずに…

 

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よいしょポイント】

なぜ今、スピルバーグがリメイクする必要があったのか?

 

まず、ウエストサイド物語とは、シェイクスピアの戯曲「ロミオとジュリエット」を

50年代のアメリカに移し替えた物語でした。

移民であるプエルトリコ系アメリカ人とポーランド系の貧しい白人との抗争を描いた誰もが知る名作になりました。

 

なぜ2021年にいまスピルバーグがリメイクしないといけないのか?

それは57年に初めてブロードウェイに「ウエストサイド物語」がかかった時から、

現在までアメリカは変わってないからです。

 

いつかの赤いネクタイに金髪の大統領候補が大きな声でいってましたよね。

「メキシコや〇〇からの、移民を受け入れるから私たちは貧しいんだ。

そいつらが私たちの仕事を奪うんだ。メキシコに壁を作れ」と。

そして、労働者階級の白人からの絶大な支持を集めアメリカ大統領に選ばれました。

 

つまり、60年前に『ウエストサイド物語』で描かれていた、

人種差別や社会的弱者の迫害、弱いものいじめは続いているのです。

本当の敵は、資本家階級であり、労働者を搾取するシステムそのものだというのに、、、

60年前から根本的には変わってないんです。だからスピルバーグがリメイクする必要があったんですよね。

 

※2019年アカデミー作品賞のポン・ジュノ「パラサイト 半地下の家族」もこんな話でしたね。

本当に倒すべきものがいるのに、殺し合うのは、

貧しい半地下の家族とそれより貧しいもっと地下に住む家族でした

 

決闘から帰って来たトニーは、マリアと再開し、

名曲『サムウェア』を哀しげに歌います。

 

「どこか遠くへ連れて行くよ、どこかに僕たちの居場所があるはずさ」

 

 

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【おまけ/アメリカでは大コケ!?】

コロナ禍を経て、大人向けのドラマ作品が世界的に苦戦しております。

(当たるのはスーパーヒーローのみ)

 

本作『ウエスト・サイド・ストーリー』と同日公開のギレルモ・デル・トロ監督『ナイトメア・アレイ』が北米で公開されたクリスマスシーズン真っ盛りの2021年12月第3週の週末。

実は、上記2つの興収を合計しても、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』の2.5%ほどでした。

 

『ウエスト・サイド・ストーリー』も『ナイトメア・アレイ』もディズニー傘下のFOXスタジオ作品、

つまりはソニーとともに『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』の権利を有するディズニーの作品です。

穿った見方をするなら、どうせ当たらないけれど劇場公開しなくてはいけない自社のFOX作品を、

『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』というモンスター作品の生贄にしたようにみえますね、、恐るべき、ディズニー、、(笑)

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そんな感じでした。

では、また来週も宜しくお願い致します。



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