2019年12月に開催された ARRL160mコンテスト 終了間際にIC-PW1のプロテクトが動作し、確認するとSWRが5を超えていました。どうやら、長時間連続でCQを出していたために、マッチングボックス内のUNUN(インピーダンス変換トロイダルコア・トランス)が熱のためにコアが破損したか、巻いてあったビニール線が溶けてショートしたようです。
1月のCQWW160CWまでに修理する必要が有ります。飯能山頂は、下界より5度くらい気温が低く、10m/s程度の風はほぼいつも吹いています。しかも30mのタワー上では更に風が強くなっています。
1月10日天気が良くなるとの予報を信じて、9日に飯能に行き10日朝からタワーに上ってマッチングボックス内の状況を確認しました。必要ならマッチングボックス毎下ろして来て修理しようとも思ったのですが。見るとUNUNの表面にひび割れが確認出来ました。とにかくCQWW160CWまでにSWRを下げて参加できるようにして、抜本的な回収はその後にしようと思い、トロイダルコアだけ外して戻ってきました。
● コアを2個スタックにして巻く
● テフロンチューブで絶縁した導線を使用する
この2点の改良をすれば、1KWであれば問題は発生しないだろうと思っていました。しかし、用意したテフロンチューブの内径がギリギリ2φで2mmの鈴メッキ線を通すことが出来ませんでした。するとDX'peditionに持っていこうとして巻いたUNUNを見つけました。巻いてあるのは2mmのビニール銅線ですが、コアサイズが割れていた物より大きく厚さも有り、これなら厳冬のタワー上でなら熱破壊することなく使えるだろうと使用を決めました。
スローパーの調整は、エレメントとタワーの角度を変えてSWRを落とす、という手法を実践されて好結果を出されている方もいらっしゃいます。しかし、グランドとなるタワーとエレメントが数mしか離れていない、というのは放射効率が悪くなるとしか思えないので、私は以下の様に調整しています。
エレメント長=波長÷4X0.98として、それが出来る限り直線でかつ端が高くなるように展張します。
この時のRとリアクタンス分を計測します。
リアクタンス分がゼロに近くなるようにエレメント長を調整します。
この時のインピーダンスを計測します。
50オームと給電点インピーダンスの比の平方根がUNUNの巻線比となります。
例
エレメント長を調整してjx=0となった時のインピーダンスが30Ωだったとします。
このままですとSWR=50÷30=1.688 です
30Ωを50Ωにステップアップするトランス(UNUN)を巻けばよい訳です。
インピーダンスは巻線比の2乗となるため、必要な巻線比は1.688の平方根=1.3となります。13巻のトランスの10巻目からタップを出せばほぼSWRが1になります。
都度必要な巻き数のトランスを作成したり、あるいは周囲の状況が変化してインピーダンスが変わった場合にはトランスを巻きなおさなくてはならないため、1巻毎にタップを出して、幅広い範囲のインピーダンス変換に対応できるようにしておけば汎用性がかなり高くなります。
スローパーは30mタワーの25m付近にマッチングボックスを設置し
そこから南方向に引き下ろしています。
北方向に展張したいのですが、木が生い茂っていてとても張れる状況にありません。しかし、南方向にはKT-22Rが20m離れて立っていて21/28MHzの5エレが上がっています。真っすぐに展張するとこれらのエレメントと干渉してしまうため、途中からロープで引っ張って干渉を避けています。
このトランスは、5本のビニール線をペアとして4回巻き、それらを直列に接続して20巻としてあります。20:15:10:5巻きの部分からタップを出してあるため、巻線比としては4:3:2:1となります。つまりインピーダンス3-800Ωの範囲に対応できます。
各タップに共振周波数調整用のコイルを経由してネジ止めするようにしていましたが、取り付け中にナットを落としてしまったため、ほぼギブアップ状態となりました。ナット1個を取りに30mタワーを往復する元気も無く、15分ほどあれこれ考えて無理やりスタンドオフ碍子を利用して固定する方法を思いつきました。
UNUN交換後のSWRは、マッチングボックス給電部で1805-1829KHzの範囲でほぼ1.3程度になっています
スイープの範囲を拡大すると、SWRが1.5以下の範囲は1760-1857KHz程度です
しかし、シャックでSWRを計測すると5近くあります。どうも、同軸ケーブルにも問題が発生していたみたいです。幸い使用していない同軸ケーブルが2本、マッチングボックス近くまで配線されているので、これと繋ぎ変えることにしました。しかし、日が沈みかけて気温が下がって来ていたため、この工事は次回に行うこととして帰宅しました。
2020-01-27 2020 CQ WW 160CW
1月のCQWW160CWまでに修理する必要が有ります。飯能山頂は、下界より5度くらい気温が低く、10m/s程度の風はほぼいつも吹いています。しかも30mのタワー上では更に風が強くなっています。
1月10日天気が良くなるとの予報を信じて、9日に飯能に行き10日朝からタワーに上ってマッチングボックス内の状況を確認しました。必要ならマッチングボックス毎下ろして来て修理しようとも思ったのですが。見るとUNUNの表面にひび割れが確認出来ました。とにかくCQWW160CWまでにSWRを下げて参加できるようにして、抜本的な回収はその後にしようと思い、トロイダルコアだけ外して戻ってきました。
● コアを2個スタックにして巻く
● テフロンチューブで絶縁した導線を使用する
この2点の改良をすれば、1KWであれば問題は発生しないだろうと思っていました。しかし、用意したテフロンチューブの内径がギリギリ2φで2mmの鈴メッキ線を通すことが出来ませんでした。するとDX'peditionに持っていこうとして巻いたUNUNを見つけました。巻いてあるのは2mmのビニール銅線ですが、コアサイズが割れていた物より大きく厚さも有り、これなら厳冬のタワー上でなら熱破壊することなく使えるだろうと使用を決めました。
スローパーの調整は、エレメントとタワーの角度を変えてSWRを落とす、という手法を実践されて好結果を出されている方もいらっしゃいます。しかし、グランドとなるタワーとエレメントが数mしか離れていない、というのは放射効率が悪くなるとしか思えないので、私は以下の様に調整しています。
エレメント長=波長÷4X0.98として、それが出来る限り直線でかつ端が高くなるように展張します。
この時のRとリアクタンス分を計測します。
リアクタンス分がゼロに近くなるようにエレメント長を調整します。
この時のインピーダンスを計測します。
50オームと給電点インピーダンスの比の平方根がUNUNの巻線比となります。
例
エレメント長を調整してjx=0となった時のインピーダンスが30Ωだったとします。
このままですとSWR=50÷30=1.688 です
30Ωを50Ωにステップアップするトランス(UNUN)を巻けばよい訳です。
インピーダンスは巻線比の2乗となるため、必要な巻線比は1.688の平方根=1.3となります。13巻のトランスの10巻目からタップを出せばほぼSWRが1になります。
都度必要な巻き数のトランスを作成したり、あるいは周囲の状況が変化してインピーダンスが変わった場合にはトランスを巻きなおさなくてはならないため、1巻毎にタップを出して、幅広い範囲のインピーダンス変換に対応できるようにしておけば汎用性がかなり高くなります。
スローパーは30mタワーの25m付近にマッチングボックスを設置し
そこから南方向に引き下ろしています。
北方向に展張したいのですが、木が生い茂っていてとても張れる状況にありません。しかし、南方向にはKT-22Rが20m離れて立っていて21/28MHzの5エレが上がっています。真っすぐに展張するとこれらのエレメントと干渉してしまうため、途中からロープで引っ張って干渉を避けています。
このトランスは、5本のビニール線をペアとして4回巻き、それらを直列に接続して20巻としてあります。20:15:10:5巻きの部分からタップを出してあるため、巻線比としては4:3:2:1となります。つまりインピーダンス3-800Ωの範囲に対応できます。
各タップに共振周波数調整用のコイルを経由してネジ止めするようにしていましたが、取り付け中にナットを落としてしまったため、ほぼギブアップ状態となりました。ナット1個を取りに30mタワーを往復する元気も無く、15分ほどあれこれ考えて無理やりスタンドオフ碍子を利用して固定する方法を思いつきました。
UNUN交換後のSWRは、マッチングボックス給電部で1805-1829KHzの範囲でほぼ1.3程度になっています
スイープの範囲を拡大すると、SWRが1.5以下の範囲は1760-1857KHz程度です
しかし、シャックでSWRを計測すると5近くあります。どうも、同軸ケーブルにも問題が発生していたみたいです。幸い使用していない同軸ケーブルが2本、マッチングボックス近くまで配線されているので、これと繋ぎ変えることにしました。しかし、日が沈みかけて気温が下がって来ていたため、この工事は次回に行うこととして帰宅しました。
2020-01-27 2020 CQ WW 160CW
このコアは随分前に20個ほどまとめてアメリカから購入した物です。しかし、購入記録が残っていないため、コアの材質等は不明です。
それから、SWRが又高くなったため下して確認しましたが、特に不具合はありませんでした。BC帯で使われいたと思われる直径6cm、厚さ1.5cm程度のコアを4段積み重ねてUNUNを作製しました。マッチングボックス出口ではSWR1.5以下になっているのですが、シャック内ではほぼ無限大の状況で、同軸(コネクタ)の不良がある様です。未だ原因特定出来ていないため、まともに電波が出せません。
大きさからするとFT240でしょうね
160mのDouble-Lを同相給電するための1:2 UnUnはFT240-61を2段積みしているんですが、同相給電で長時間運用したことがありません。やはり長時間運用するには4段くらい積まないとだめですかね