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聴刻堂日乗

映画「ミセス・ハリス、パリへ行く」

「ミセス・ハリス、パリへ行く」
という映画を観た。

2022年のイギリス映画。
監督はアンソニー・ファビアン。
出演はレズリー・マンビル、
イザベル・ユペールほか。

ロンドンで暮らす家政婦の寡婦。
ディオールのドレスに憧れ、貯金
してパリへ向かう。ディオールは
貴族を相手にする特別なブランド
で場違いな雰囲気だったが・・・。

チャーミングな婦人の微笑ましい
おとぎ話。服飾が好きな人には
そっちの楽しみもある。

また、映画は社会を映す。舞台は
1950年代のロンドンとパリ。

主人公に何年か遅れで夫の戦死の
報が届く。第二次世界大戦の戦争
未亡人の物語なのだ。

パリの街はゴミで溢れている。
ストライキで収集されないのだ。
プラカードを掲げ気勢を上げる労
働者たち。

ディオールで働く人達が主人公に
優しくするのは、家政婦として働
く婦人の夢を応援したくなるから
でもあるのだろう。

こういうオバちゃんって、どこの
国にもいそうだ。自分にも他人に
も正直で、物怖じせず、明るくて、
ユーモアもあって、おせっかい。
だから、映画になるんだろうな。

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