映画「ペドロ・パラモ」を観た。
2024年のメキシコ映画。
監督ロドリゴ・プエリト。
出演マヌエル・ガルシア=ルルフォ
ほか。
会ったことのない父親を探して、
死んだ母親の故郷の町を訪れた男。
廃れた町では、昔の住人の亡霊と、
かつての町の幻影に翻弄される。
原作はフアン・ルルフォの書いた
1955年初版の長編小説らしい。
映画が進むにつれ、現在と過去の
時制が混沌としてきて、そのうち
誰が誰やら覚束なくなってくるが、
それもどうでもよくなってくる。
様々な人の身の上に降りかかる、
様々な出来事。悲しみや憎しみ。
男女の情愛と執着。それらが混然
一体となって、"誰の"ということ
は関係なく、普遍的な人生という
ものを描いているように思えた。
中南米だからカソリックの宗教観
ではあるのだけれど、むしろ仏教
的な諸行無常、輪廻転生の宗教観
にも通じるようにも思えたり。
普段観るような、ハリウッド映画
や邦画とは随分と違う趣きの一本
でした。