この人はスゴイな。
そう思う作家が何人かいる。
山本兼一もその一人だ。
出会いは「利休にたずねよ」。
2008年下半期の直木賞受賞作。
これで降参してしまった。
今回「白鷹伝」を読んだ。
山本兼一の処女長編。
これがデビュー作とは・・・。
主人公の鷹匠の目で見た戦国もの。
この視点の据え方が面白い。
鷹匠の世界そのものも読ませる。
主人公の世界観も魅力的だ。
主人公のと言うより、作者のだが。
鷹を相手にして心胆が練られる。
目の前のものを虚心に受け止める。
何事にも腹が立たない。
そんな達観に辿り着く。
信長、秀吉、家康らと並んでも。
鷹と共に生きた鷹匠は揺るがない。
栄華や繁栄、立身出世などよりも。
人生には大事にすべきものがある。