映画「世界の終わりから」を観た。
2023年公開の日本映画。
監督・脚本。原作は紀里谷和明。
出演は伊東蒼、夏木マリほか。
両親を失くし一人で生きていく他
ない女子高生。生活の為のバイト
で忙殺され、学校では苛められ…。
そんな彼女の前に政府の特務機関
の男達が現れ、彼女の夢には世界
を滅亡から救う力があると言う…。
荒唐無稽な設定で、どんなノリで
観ていいのか戸惑った。話の流れ
もなんだか雑で、首を傾げること
もしばしば。
昔、洋酒のCMで黒澤明が「天使
のように大胆に、悪魔のように細
心に」と語るのがあった。当時は
何を言ってるか解らなかったが、
今では何となく解る気がする。
物語の展開は大胆な方が良いが、
その必然性や辻褄は細心に設計さ
れるべきなのだろう。映画はある
世界を創って見せる神の所業だ。
雑に創ってもらっては興醒めだ。
とは言え、作者に表現したいもの
がしっかりとある作品は見応えが
ある。人間は身勝手で醜い。大昔
からそうで、学習しないどころか
ますます酷くなっている。こんな
世界は救いようがない。それでも、
いつかは救われる日が来ると信じ
たい。
紀里谷氏の世界観は興味深い。
ハリウッドで監督した映画もある
と言う。「ラスト・ナイツ」。
今度観てみよう。