「ザ・レディ・イン・オーケストラ:
NYフィルを変えた風」という映画
を観た。
2024年のアメリカ映画。
35分の短編ドキュメンタリー。
監督はモリー・オブライエン。
出演はオリン・オブライエンほか。
オリン・オブライエンはNYフィル
で初めて女性で正式奏者になった
人。55年間の楽団生活を隠退する。
それを姪のモリーが映画に撮った。
男性ばかりの保守的な楽団に初め
て採用されたのだから相当の実力
だったのだろう。当時の首席指揮
者のバーンスタインも映画の中で
コメントしている。
オリンの楽器はコントラバス。
楽団の中で最低音のパートを担当
する。目立ってはいけない。脇役
として楽団の音楽を下支えする。
それが性格的に合っていたのだと
本人は述懐する。
音楽家として、一人の人間として、
長い道のりを全うした清々しさが
伝わってくる。多くの若い教え子
たちが慕う姿が嬉しい。
題名からは、活躍する女性の先駆
者を描くような内容を想像したが、
そうした特殊な人と言うよりも、
じっくり一つ事に打ち込んできた
人の生き様に触れることができた。
そんな印象の作品でした。