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聴刻堂日乗

映画「バンジーダ」

映画「バンジーダ」を観た。

2014年のブラジル映画。
監督はジョアン・バイネル。
出演はマリア・ポマーニほか。

リオ・デ・ジャネイロの貧民街で
育った女性がギャングのリーダー
になってゆく物語。「バンジーダ」
とは「女性の悪党」という意味だ。

ダークな映画だ。
登場人物はほぼ全員ジャンキーか。
映像が、輪郭がぼやけたり二重に
なったり、色も滲んでいる。中毒
者の視野なのだろう。

読み書きができる者も少なそう。
計算ができて、麻薬の売買の帳簿
が付けられればギャングで仕事に
ありつける。

警察官はマリファナを商売し、幼
友達は裏切り、日常生活で銃弾が
飛び交う。将来の希望や夢なんて
存在しない。

ドキュメンタリーと迄は言わない
が、大袈裟に誇張してるわけでも
ないだろう。

こういう映画を観ると、普段使う
ことのない「運命」という言葉を
思い出す。何処で生れ落ちるのか、
自分ではどうしようもない。その
偶然だけで、自分の一生が大きく
左右されてしまうのだ。

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