友達

　私には，春と秋に一緒に食事などをする友達が二人いる。
一人は，高校生の娘と中学生の娘のお母さん。次女が水泳の選手なので送迎にいそがしい。Aさんとしておく。
もう一人は高校生の娘と中学生の娘と小学生の息子のお母さん，小学校の先生をしている。Bさんとしておく。
出会ったのは病院，三人とも子供の入院に付き添っていた時である。
96年9月うちの希春は生後6ヶ月で気管支炎と診断され入院した。
二週間後退院の予定が出ていたが急変，呼吸器を付けることになり2年間はずせなくなった。
97年頃Aさんは長女が肺炎で入院された。Aさんとうちの旦那は同じ職場だったのでkくんの奥さんのciaoさんということで仲良くなった。
同じ頃Bさんとも仲良くなった。Bさんの息子がうちの部屋の真向かいにいて，ベビーベットからニコニコ笑顔を振りまいていたので思わずかわいいと声をかけたのがきっかけである。
Aさんの長女は二週間で退院したが，その後すぐ不登校になり親子で登下校をし克服した。私は話しを聞いてすぐ「Aさんがんばっとるけど，先生はどうしょうるん」と担任がおかしいと指摘し落ち込む彼女をはげました。
Bさんの息子は，あるべき口元がほころんだまま形成されず生まれてきたのである。そのため，口から気管に食べかすが落ちやすく喘息となっていた。
知り合った時には唇を縫い合わせてあったため鼻の下に絆創膏が貼ってあった。
ミルクをマウスピースをつけさせ特殊な哺乳瓶で飲ませるなど，苦労していた。
うちの子の様子を見てBさんはびっくりしていたようだ。
もうすぐ2歳にもなる子供が呼吸器につながれて寝たきりなのだから。
Bさんの息子は喘息でひと月の半分は入院していた。その間，隣に住む義母に上の2人を預けていた。
家族水入らずでいられない事がBさんを苦しめていた。泣いていた。私も一緒に泣いた。
でも，彼女に言わずにいられなかった。
「50人に一人の確率で発症する病なら，治療法が確立されてるよね。もう少し大きくなれば，喘息がおさまって歯茎や顎の手術も出来たら治るんじゃけん」
　次に秋に会うが3人ともいいおばさんになってきた。