わただま 摘んだ?

風になる 花のかおりをまとうこと 遠い訪れを搬ぶこと 水のありかを囁くこと そして こっそり石たちの夢にすべりこむ

葉桜の味

2007-05-15 18:27:03 | ぱくぱく
お誕生日のランチに
築地へ連れて行ってもらった。
グルメだった上司と行った店だとか。

アナゴが 繊細。
これはたぶん 一番の味だね。

おいしいものに出合うと。

たぶんこれ以上はないと、ふしぎにわかるときがある。
それは、残念なようでもあり、でも今生の最高にめぐりあえた幸せと
(めぐり合えないことだってあるわけだし)
ふたつながら 記憶に刻み込むときでもある。


よく知ってたよなぁ。

折りにつけ くりかえす 
同じものを たべたときに。


新富町から烏森まで
銀座をつっきっていく途中
ふと 夫が足をとめた。

「ここ Iさんが使ってた」

え。

口にしたのは 何年ぶり。


江戸っ子ならなまえくらいは知っている
新橋玉木屋の、そこは本店だった。

  あの女が 遣うなら
  そうだね それなら

店に入り
魚の子や 鰻に
気を取られてる夫をしりめ

浅草うまれの裔(すえ)としては
まずは あさりの浅炊きだよね。

して 最前から
気になる 季節限定

「葉桜しらす」

     

ちいさな俵が むすんであって
さっき
のどもとまで きてたというに

つい手を出して
・・・
まとめ買い。


桜の樹の下には
想い出が ねむってる。

あのひとや このひとと
すごした 刻が

味わいが。

新橋玉木屋



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