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このところ、NHKは公共放送の担い手の役割を放棄して、スポーツ放送局に成り下がったようだ。総合テレビ夜7時のニュース7は多くの時間をソチオリンピック関連の報道に当てているし、クローズアップ現代やBS1夜10時のワールドウェイブ・トナイトもお休みである。このほか多くの通常番組やBS1のドキュメンタリー番組もずっとお休みである。視聴者はソチオリンピック以外の内外の動向について知る機会を奪われているのである。
メダルを獲得した選手の演技は繰り返し報じられる。民放でも同様な傾向である。日本選手の活躍は国民的関心事で心地よく聞こえるが、それに偏よると他のニュースは周知されなくなる。スポーツ番組は目くらまし効果を持ち得るのである。最近の都知事選では、環境に配慮して当初計画より規模を縮小した開催を主張した宇都宮氏や細川氏は、ソチオリンピック関係の番組ラッシュで逆風を受けた。若し原発事故や地球温暖化による被害の模様が、羽生選手や葛西選手の活躍ぶりのように繰り返し流し続けられていたら、選挙結果は違ったものになっていたであろうし、舛添氏の女性蔑視発言 が繰り返し報じられていたら、舛添氏の当選はなかったであろう。
国政の場では、国会における圧倒的多数を背景に、積極的平和主義を掲げた安倍政権が前のめりに政策を遂行しようとしている。秘密保護法問題、集団的自衛権問題、解釈改憲問題など国のあり方に関わる重要問題が、国民に行き届いた説明がなされずに推し進められているなかで、首相の立憲主義を否定するような発言まで飛び出した。パブリックコメントを募集した国家エネルギー計画についても、その結果についての説明なしに閣議決定に進もうとしている。公共放送として公正中立の立場に立つことは勿論大切であるが、オリンピック関係の報道を偏重して、国民に伝えるべき情報の報道を疎かにするようでは、時の政権の翼賛放送局と見られても仕方がない。
政府が右なら左の意見は控えるなどでも言えると思います。山梨などで、大雪のため孤立している集落があったりする出来事も、圧倒的にオリンピックの傍ら、ほんの少しだけニュースが流れるだけ。オリンピックがなければ、雪害のニュースがもっと大きく流れたはず。福島第一原発の汚染水についても、ほんのわずかに触れるだけ。安部首相の独走に批判的なコメントもありません。翼賛放送局!まさにその通りと思います。
今日は浅田真央選手のフリー演技で塗りつぶされたような一日でした。突っ走る安倍政権、本当に心配になってきましたね。