瑞希です。前のブログを見ていたら、以前にTOEIC絡みでこんなことを昔書いてました。多分今も変わらないでしょうけど、参考になればと思います。(今はいろんな国の人の英語をListeningするようになっているみたいなので、もう少しややこしくなってるかな?) ちなみに私は息子の点数を見て、愕然たる差にショックを受けてから、二度と受けようなんて思いません!(笑)
TOEICはTOEICでしかない!
TOEICを考える時に、まず誰もが勘違いをすることがあります。TOEICの点数が高い人は英語ができる人、英会話に堪能な人だという錯覚を起こしてしまうということです。実際TOEICで高得点を出している人は、英語が上手な方が多い傾向にはありますが、400点、500点くらいの人でも、いざ実践のビジネスで十分通用するような人もいれば、800点以上取っても相手と交渉すらできない人もいます。これはなぜでしょうか?
TOEICのテストは基本的にリスニングと文法から成っています。スピーキングや作文はありません。基本的に英会話はこの4つの要素ひとつひとつができたところで、うまくはなりません。これらの要素がそれぞれ組み合わさってうまくなっていくことにより上達するのです。リスニングを元にスピーキングをする。それを今度は作文してみて、正しくかけているかどうか文法をチェックする。一通りこれができたら、実際に他の人がどうしゃべっているかまたリスニングをしてみる。こういう英語のスパイラルを繰り返していくことで自分の英語全体が徐々にスキルアップしていくのです。
では、英語をまんべんなく勉強しなければTOEICの点数を上げられないのでしょうか?
前にも言いましたが、TOEICは「4教科」ではなく「2教科」なのです。つまりリスニングと文法さえ何とかなれば、点数アップは望めます。最近の傾向として、TOEICは純粋に「英語ができるものさし」というよりもむしろ「会社や学校での資格」として扱われる傾向にあります。つまり、「実際のビジネスや海外に旅行に行った時に困るから、そのためにスキルアップしよう。」というよりもむしろ、「ここである点数を取らないと入社・入学できないとか、社内での昇格・転部ができない。」というちょっと違った使われ方をされているような気がします。現に私が受けたのも会社の社内昇格制度の一環であり、一定の点数がとれなければ、未来永劫受け続けさせると脅されたからです。それも自己負担で・・・。だから何とか少ない回数でクリアしてしまおうと思ったわけです。そのためには正にTOEICならではの「受験テクニック」があるのです。それについてちょっと述べてみましょう。
まずリスニングで大事なことは「リズム」です。次から次へと問題が読み上げられ、回答を求められます。それぞれに瞬時に対応していかないと、回答ができません。ところが日本人の場合、概して「全部理解できないと我慢できない病」というのがあり、どうしてもひとつひとつの問題噛みしめてしまう癖があります。つまり、読み上げられた文章を理解し、問題を100%理解した上で、「さてどの答えを選びましょうか?」と考えてしまうのです。これではとてもじゃないけどあの早さについていくことができません。最初は順調でもどこか一か所でつっかかえてしまうと、そこから先はもうだめなのです。坂道を転がるように落ちていってしまうのです。
一番良いのは、「雰囲気」で全体を理解し、その中で肝心な答えを見つけ出す方法です。私の場合、海外出張に1週間行った翌日にTOEICのテストを受けました。それで8割方ヒヤリングが理解できました。よく「英語はシャワーを浴びるように聞き流すのが良い」と言われますが、正にそれは正しいのです。ひとつひとつ理解するよりも、むしろ聞き流しておいて、「これは何について言っているのだろう?」というものが一つわかると、それが二つになり、三つになりと言った感じで、おぼろげに理解できてくるのです。また、質問にしても時間・数字・テーマ・ワードを中心としたものがほとんどですから、それが拾えさえすれば、おぼろげながらも全体像が理解できるのです。そうなると、不思議と「カン」が働きだすのです。この場合「カン」といっても、通常言われるような第六感的なものではないのです。日ごろから慣れ親しむことによって、自分の意識の奥にある引き出しの中に情報がしまいこまれているのです。これが知らず知らずのうちに、「実力」となって出ているのです。
さて、次に文法の方ですがこの一番の難問は「時間との戦い」なのです。というのも圧倒的に量が多い。まともに初めからやっていたのでは、絶対に終わらないのです。したがってここには「戦術論」を導入する必要があります。つまり、自分の得意なもの、不得意なものに分けて、まずはそれぞれの時間配分を決めるのです。語彙・文法・読解・その他にそれぞれ何分と言う風に振り分け、有る程度の残り時間をあらかじめ決めておくのです。それぞれその時間内で終わることを目指し、できない場合はそこを後回しにして、他を先にやっつけるというやり方が一番かも知れません。
これを身につけるために必要なことは、あらかじめ何回か過去問題をやってみることだと思います。これにより自分の得意・不得意がある程度わかりますし、それに応じた対応をすれば、そこそこの問題量をこなすことができます。大事なことは、「何としてでもやり終えること」に尽きるのです。やり終えさえすればある程度の点数は確保できます。それはマークシートならではの確率論からも言えることです。
また、試験を受けてみるとわかるのですが、意外と簡単な問題が後回しにされているケースがあります。これもリスニングの時と同じなのですが、日本人は几帳面な性格ですから、どうしても前から着実に解かないと何か気持ちが悪く感じてしまうのです。そういう感覚で受験するのは、TOEICにおいてはご法度です。あくまでも焦らずに効率よく攻めていくことが、高得点につながる近道だと私は思います。
とはいえ、TOEICで点数が取れたからと言って、それで英語が喋れるということには私はつながらないと思います。ここから先は、本人次第です。本人がただ周りの環境で仕方なく受けて有る一定の点数がとれれば、その先はないのですが、もし英語をもっとしゃべりたい、うまくなりたいという方はやっぱり英会話のスパイラルを実践する必要があるのです。やはり一番良いのは、英語しかない環境で数カ月間、一人で生活することをお勧めします。そうなるとやはり「サバイバルの為の英会話」を自分でしなければならなくなるからです。ただでさえ最近日本人の「海外音痴」は、政治家の所業を見ても明らかなところです。やはりこれから国際派を自負したい人は、そうした「アウェー」を積極的に経験することで、自分を高めていかなければならないと私は思います。
その崇高な目的を持てば、TOEICの点数を取ることは単なる通過点にすぎず、精神的にもハードルがさがるのではないでしょうか?
もしこういう記事に興味があれば、私の昔のブログ、随想録~つれづれなる一言日記~もごらんください!
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