coya

すっかり育児ブログ
猫と犬もおるよ

隣のはなちゃん

2012-01-17 21:58:33 | 昔話
「庭掘ったら骨が出てきた」

と、母が言った。




うちの実家は『コの字』に庭がある。

実際、庭と呼べるのは一辺だけで、

もう一辺は玄関ポーチから庭に続く通路で、

もう一辺が物置があるだけのほぼ立ち入ることのない裏庭。


『Lの字』は庭で放し飼いにしている犬に支配されているので、

未だ手つかずの裏庭を、このたび母が手入れしようと思ったらしい。


「庭掘ったら骨が出てきた。アンタらやろ」


「アンタらやろ」てそんな、自分の子供を死体遺棄の犯人みたいに…





……

………


あ…



15年~20年前。

私は生き物が好きだった。


1丁目のともくんの話は前に書いたことがあるが、

(参照http://blog.goo.ne.jp/coya_2006/e/870bd2debb3a08a27dfec5ab9f5e58da)

隣のはなちゃんも当時の私を憤慨させたひとりだ。


ある日私はキャシーは、

隣の家に住んでいるはなちゃんとうちの庭で遊んでいた。

するとそこにアリの行列。


「わー!アリの行列やー!!」

「アリってさー、ほんまに行列つくるよなー」

「うんうん、目ぇ悪いらしいで」

「ニオイで行列つくってるんやってなー」

興奮する私とキャシー。

私とキャシーはアリの行列に夢中だった。


すると、



グシャリ.....



はなちゃん...?

なんでアリ踏むん...?


はなちゃんは笑っていた。


なんで笑っとん?

なんでなんで?


温度差に気づいたはなちゃんは怒って帰っていった。


残された私とキャシーは、

崩れたアリの行列を目の前に、

成す術なく泣いた。


それからというもの、

道路に転がっている猫やタヌキの屍骸を見ては持ち帰り、

裏庭に埋め、お墓を作った。


そうやって次々持ち帰られる動物。

裏庭の端から順に作られるお墓。

どれだけ作ったか、本人も覚えていない。





今回、母が掘り起こした骨は、

その頃の骨だ。