櫻井郁也ダンスブログ Dance and Art by Sakurai Ikuya/CROSS SECTION

◉新作ダンス公演2024年7/13〜14 ◉コンテンポラリーダンス、舞踏、オイリュトミー

ソロダンス新作『その血にきけ』(5/2~3上演):作品ノートから

2014-04-23 | 公演写真&記録(国内) dance works in JP(photo etc)
「ボブ・マーリーが撃られたんだってよ、ちくしょう。

とスカしてた頃、『モモ』って読んだ?あのね、すごいのよ、アレ。

おとなしめのクラスメートが、そう言った。

なんじゃそりゃ、たかが童話か。とぼやきつつ何故か本屋に行った買った読んだ、その記憶あり。

エンデ、即ち終末と同音の不思議な苗字の作家は名をミカエルという。ミカエルは見つめる天使だ。終末を見つめる天使が童話作家か、世界はカラクリに満ちているのかな。

多忙でないと生きた心地がしない魂、を、売り歩く灰色の男たち。時の花。さまざま現実に夢見に、どこか覚えあるアレコレ。だった。
妙に近く、かつ遠い、まるで預言みたいだなこれは童話か?
思えばシュタイナー思想との出会い。だった。

以来ことあるたびに、このエンデやシュタイナーは新しい風のように、胸の奥をくすぐるのだった、いまもなお。

踊りの足しにと始めたオイリュトミーはいつしか継承の衝動にかられてクラス展開する始末。そして今の新作ダンスでは、ついに創作衝動の重要な一点として、シュタイナーの著作が出てきた。

シュタイナーの発言した書いた、あるいは彼が発掘した古代の言葉。それらを、オイリュトミーの形式で踊ったこと稽古したことは何度もあるけど、それら言葉たちの放つ何かしらのエネルギーに揺すられ、「ダンス」として舞踏するのは初めての挑戦。

意外性、挑発性、ヘタすると神話性さえ帯びる虚実皮膜の思索と言霊に触れながら舞おうとするそのとき、いかなる方位が出るか、それは本番その瞬間まで決してわからない。
が、自分の思いとシュタイナーの思索に、どんな距離感や共振や裂け目が現れるのか。これ自体、一つのダンスかもと血が騒ぐ。

惹かれつつも、さらわれたくない。そんな感じは、思春期の父子みたいなものか。

エンデ、ヨゼフ・ボイス、カンディンスキー、マリリン・モンロー、まだ多数のアーチストが、シュタイナーに影響されたと公言するが、みな自身のオリジナリティにブレは無い。

巨大な思想は時として安易な逃げ場になるから、怖い。

されど、さて、、、。

彼は彼、私は私。

そのことを心して、ルドルフ・シュタイナーという個に、再び交感を試みたい。
彼も我も、あなたも、同じく、人間である、そこに、そこから。」

とは、ひと月前の創作ノートから。いまはただ、汗、痛覚、時間との闘い。のなかで、読み返したところ。追いこんでいきます!

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info.

新作ダンス公演:5/2~3開催(ご予約受付中):
櫻井郁也・公演サイト
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