世界のどこかで起きていること。

日本人の日常生活からは想像できない世界を垣間見たときに記しています(本棚11)。

「安全な“食”を求めて」

2017-11-02 16:05:46 | 日記
 中国で有機農業に挑む人々とそれに共感する人々の物語。

 現在中国で生産される農作物は化学肥料と農薬まみれ。
 そこに自らの体調不良をきっかけに、今から20年前に有機農業に挑んだ女性がいました。
 しかし人件費を乗せると、市場価格の3倍になってしまう。
 でもそのおいしさと価値が評判になり、宅配契約も増えてなんとか採算が取れて安定してきたそうです。
 高級デパートの食品フェアの声がかかると、その宅配契約先のお客さんがボランティアで手伝ってくれます。

 有機農園で働く、近隣の農家の叔母さんの言葉が印象に残りました。
 彼女は自分のはたけでは化学肥料を使い、農薬を使って作物を作っています。
 そして彼女が食べるのは農薬まみれの自分が作った作物。
 有機農園の作物は高くて買えないのです。
 では、自分も有機農園を始めるか、と問われると答えは「否」。
 手間と費用がかかりすぎて手が出せない、というのが現状のようです。

 その有機農園も開発に飲み込まれそうな雰囲気があります。
 一方で中国政府は農薬の使用制限へと舵を切りました。

 中国の農業はどんな方向へ向かうのでしょう。



■ BS世界のドキュメンタリー「安全な“食”を求めて」
NHK-BS1:2016年5月19日
<番組内容>
 自分が健康を害した原因は肥料や農薬にあると考えた元外交官の女性が、一念発起して北京郊外で有機農園を始めた。中国で“食の安全”を求める彼女の試みは成功するのか。
<詳細>
 海外生活を終えて帰国した元外交官の張志敏は、アレルギーで体調を崩してしまう。中国で使われている肥料や農薬に原因があると考えた彼女は、私財をなげうって北京郊外で有機農場「天福園」を始めた。裕福な市民を中心に好評を博するようになるが、天福園で働く一般の農家には手間とコストのかかる有機農業を導入する余裕はなく、自分の畑では大量の農薬と化学肥料を使い続けている。中国における“食の安全”の理想と現実とは。