「また、そのチキンナゲットなの?いい加減にしてよ。」
いつも耳にキンキン通るはずの高く透き通った声とは裏腹に、腹の底からくぐもった少し低い声で僕を睨みつけてくる。
「君には関係無いだろう。」
何のことだかさっぱりだ。といった肩透かしを君に見せてみるが、僕の言い放った言葉で更に普段はぱっちり丸いはずの君の瞳を上へ上へと吊り上げてしまったらしい。
般若にでもとり憑かれたか。ふふっ
「関係あるわ。そんなものに時間をかけないで。レンジでチンすれば良いじゃない。」
「分かってないな。これはオーブントースターでじっくり焼かないと駄目なんだ。
レンジで温めたらナゲットが水でべしゃべしゃになるだろう。」
「ふーん、あっそ。どうでもいいけど早く退いてよね。あたしのパンが焼けないじゃない」
そう急かすな、何も知らない生意気な小娘が。
僕は思わず口から溢れそうになったその暴言を喉元の寸前で縛り付け、部屋の乾いた空気と共に、出るはずだった暴言を胃に重苦しく運び込む。
どうせチキンナゲットに対する愛溢れる僕のこだわりなど、申し訳ないがこの浅慮な女には到底理解し得ないだろうから口喧嘩するだけ体力の無駄なのだ。
そう。僕の朝はチキンナゲットから始まる。
ジュワーっと。カリッと。フワッとサクッと。
それ以外は許せない身体になってしまった。
いつからだろうか?
はっきりと思い出せない。
しかしこれだけは言える。
レンチンのベタベタナゲットは邪道。
出勤時間を気にして少しため息ばかりの焦る君を無視してでも、オーブントースターを占領してナゲットを焼かなければならない。
何故なら僕は選ばれしチキンナゲッターだから。
急がず、焦らず、且つ完璧にナゲットをサックリジューシーに焼かなければならない。
ナゲッターの朝は早い。
「何やってんだよナゲット焦げてんじゃねーか早く退け。今日が休みのてめーはレンジでチンして糞して寝てろ。殺すぞ。」
その声が届いたのが先か重くて硬いグーが先か。
どちらが音速か。
0.1秒後の僕には関係ないか。
肩パン5発だ。完敗さ。
めっちゃ痛くて立ち上がれない。
調子乗ってごめんなさい。
お題。
チキンナゲットと僕 です
少しリハビリというか、ティラノビルダーのテキスト練習です。
内容は意味ないので気にしないでください。
テキストを書く練習ね。
国語が昔からかなり苦手で………メモを書く段階でつまづいてます。
まあ、意味が伝わればいいか。
今頑張ってます。
ちゃんと勉強のためも兼ねて小説読もうと思いました。小説なんて一年読んでませんよ‥