今日の扉
おとなは、だれも、はじめは子どもだった*
1
朝 寝床を出たとたんに走り出す孫
今日の喜びへ向かって おもいっきり扉を開ける
おとなよ 生き疲れたか
今日の扉はもうワクワクしてはいないのか
2
朝は祈りで始める
あるいは 祈らないでは始められない朝
痛む体とふさぐ心
隙間のできたいのち その隙間を祈りでうめようとする
3
イタイは イキタイこころをうずかせるか
クルシイは ウレシイこころの出口をふさぐか
―二十秒、自分の両手で自分をハグする ギュッと抱きしめる
血はアタタカ、こころはナダラカ そう手のひらがよろこぶまで
*サン=テグジュペリ、内藤濯訳「星の王子さま」岩波少年文庫
◆言葉に愛を宿したい。
◆ご訪問ありがとうございます。