生きよ! ①
二〇二四年七月七日(日)
二〇二四年七月七日(日)
わたしがあなたのそばを通りかかったとき、あなたが自分の血の中でもがいているのを見て、血に染まっているあなたに、「生きよ」と言い、血に染まっているあなたに、くり返して、「生きよ」と言った。
(旧約聖書「エゼキエル書」一六章)
―その朝
体内の異変に気づいたおまえ
嘔吐とともに血も吐いたおまえ
救急車を呼ぼう! と思いつき
一一九番に電話した
急いで着替え 保険証と財布とキャッシュカードとを持ち
駆けつけた救急隊員にドアの鍵を開けた
車の中でも吐血しながら
親の電話番号、兄弟の電話番号を知らせた
かつぎこまれたICUのベッド そこも血で染め
幾本もの管がおまえの体内にイノチを送りこもうとしている
「最重症のレベルです」と医師が父母と長兄に告げる 落ち着いた声で
「黄疸、手の震え、腹部膨満、脾臓増大、食道静脈瘤、発熱、それに出血です」
わずかに許された面会時間
おまえは意識があったのかなかったのか
何かを話し 血を吐いた
親も兄もその後の記憶がない
その日どうやって帰宅したかも覚えていない
長男から電話を受けたとき 父と母は教会にいた
父は 手帳に「〇〇倒れた。下血、とけつ」と書いて母に知らせた
父母が病院へ駆けつける間 教会に祈りの声が続いていた
◆言葉に愛を宿したい。
◆ご訪問ありがとうございます。