祈りを、うたにこめて

祈りうた(日向ぼっこ  孫の活)

孫の活

 

 

孫ら来て

夫婦の息に活を入れ

 

 年寄り夫婦の一日は静かである。少なくとも共に引退した我が夫婦の一日は。
 そこへ三年ぶりで孫たちが来た。五人来た。二泊三日である。
 生まれたときから知っている孫たちだが、今や小学生。「エネルギーの塊」というべき存在に育っていた。コロナが遮断したこの三年間、―その急激な成長のさまを知らないで過ごした三年間だったと、改めて気づいた。
 朝食は、三日以上食べている食パンが一度で胃袋に入った。四日以上溜めたままのときもある風呂水は、一晩で白濁した。笑い声、叫び声、喧嘩の声、泣き声など、声のもろもろが、朝六時から夜九時まで、室内の壁を打った。一日が激変した。
 バアバとジイジは、孫たちが帰った夜、新しくもらったフレッシュな息を、思い出し笑いをしながら味わった。急に広くなってしまったような居間で。
 と同時に、つい数日前までの古い息を懐かしみながら、吸っては吐いたりもしたのだった。

  

●ご訪問ありがとうございます。
 来ても嬉しい、帰っても嬉しい、と言われることもある孫たちの訪問。体力・気力の充実度がまるでちがいます。
 日本の各地のジジババが、この三年間を我慢しているでしょう。孫たちより、おそらくずっと。喜びと感謝と、帰ったあとの何とない寂しさ、それらを味わっています。

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