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ほいほいとぼとぼ日記・爺爺刻々

老人と畑

 昔はこの影がきらいだった。早く畑なんぞやめてしまえと言われているようだからだ。
 
 でも、いまは違うぞ。老人は、そうつぶやいて突き出た影のてっぺんに腰をおろした。
 
 そこは午後の陽が作る影絵の世界。昼から畑にでていた老人は、影の涼しさに一息つきながら、いつもの幻想に引き込まれるのを待った。
 
 この影の位置から日だまりの畑を見ていると船の舳先から海を見ているような不思議な気分になるのだ。

 植えた野菜の葉が風に揺らぐと波を見ているような気持ちになる、土の畝からは潮の流れを感じる。
 
 もうすぐ影が動くと、船から下りる時間だ、また陽があたる。そしたら、仕事をしよう。

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夢を語ろう
 ネギを盗むなどとは、ごぼうロダンで考える人なのである。それでいいのだ。
&You
ネギ泥棒
光和花園の斜面と見ました。

もう少し暗くなったら、ネギを引っこ抜いて・・・
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