それにひきかえ、小樽中心部は人がどんどん減っているそうである。一本、道を入ると暗い道が多い。どうも、物理的には港と街の境にあるのだが、運河(と埋め立てに伴い拡張された道路)は市民と観光客を心理的に分断してしまったのか。ワシの従兄弟達の家はお土産屋や鮨屋でごった返している堺町通りの傍にあるのだが、「なんもいいことないさ」と言っていた。地元の人間が残した小樽運河に外の人達が寄ってくる。半年も立たないうちに知らない店、知らない人達が入れ替わり立ち替わりできては消えていく。運河と地元の人達の距離はますます離れていくのか。
昔に来たこの一帯は、まったく観光なんぞ縁のない実用的な倉庫街であったのだ。その倉庫街を深々と雪が降る薄暗い朝の小樽港についたフェリーから降りて、人っ子一人いない道をさくさくと雪を踏みながら歩いた記憶がある。だから、今のあの一帯だけの繁盛ぶりはなんなんだろうかと思うのだ。
そんなことを思い出しながら、まもなく来るであろう雪の季節を感じて、ガス燈で暖をとっているカモメに、いつかまた逢いたいひとへの言葉を頼んだ。秋が終わり、少しだけ晴れ間の出た夕方のことであった。
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