観客のほとんどがジジイでした。
そりゃ、ジジイが主人公なんだから当たり前でしょう。
しかし、今の映像技術のお陰で、
全然遜色なく若い頃と同じようにドタバタやってます。
やっぱりこの人は、アメリカの西部劇の系譜を継ぐアクションスターです。
同じように私の好きなアメリカの俳優のポールニューマンと、
金髪といい、彫りの深い垂れ目といい、よく似ています。
はっきり言って、細かい演技はしません。
だけど、苦虫は噛み潰さず、常に来るなら来んかいで、ふてぶてしい。
そこが私は子供の頃から、アメリカ人の、いつまでたっても、
チキンレースをやり続けるバカさ加減が大好きです。
ポールニューマンと同じように、片側の口角を上げて、不敵な笑みを蓄える。
その時、彫りの深い顔の、垂れ目が、楽しそうにキラリと光るカッコよさ、
中学生の時に、あれを見て、「そりゃ、日本人勝てる訳ないわ」
と、つくづく思いました。
あんなカッコイイ大人になりたいと思い、日々、精進してきましたが、
金髪にもなれず、垂れ目にもなれず、結果チビのまんまのデブジジイです。
私が、このオッチャンの演技の中で特に好きなのが、
圧倒的な敵が、前から攻めてきた時に、「ゲッ ! 」と言う顔をして、
えらい事やってもーたーと、くるっと180度振り返り、
おしっこちびりそうになりながら、
一目散に逃げて行くシーンが大好きです。
子供の頃に、人の家の窓ガラスを、不可抗力で割ってしまい、
あくまで不可抗力ですよ、蜘蛛の子を散らすように逃げたのを思い出し、
それを、ええオッサンが今だにやっているのが、アメリカの余裕です。
アメリカ人は、いつまで経っても、こんな事が出来る。
そりゃ、勝てんわ 、です。
このバカバカしい、アクションをやってくれる次の俳優さんが、
早く出てくれないか心配です。
私は、人間のいい所は、遊び心が有る所だと思います。
AI全盛になればなるほど、バカで無駄な遊び心が求められる。
これからの時代に必要とされるのは、清く正しい真面目なんて、糞喰らえで、
真剣に、ふざけ倒す人間こそ、これからのヒーローです。
そして、こういう風に日本人が成れなければ、日本に未来は無いでしょう。
ただ気になったのが、映画のキャストにエンドロールで、
アントニオバンデラスが書いてあったのですが、どこで出ていたのでしょう ?
誰か教えてください。