全く電源が入らなくなり、すでにご自分で電源は外しているとのことで、電源ユニットのみを送付してもらいました。
FMV DESKPOWER TX90L/D で32インチワイド液晶一体型デスクトップです。
電源はAcBelのAPI4PC50です。大型パソコンなので電源容量も450Wあります。
まずは現状確認です。ＡＴＸメインパワーコネクターの電源ON端子をＧＮＤに落としてみても・・・全くＤＣ出力されていません。
そうすると何らかの原因でヒューズが飛んでいることが考えられます。
大型の電源なので分解もそれほど困難でありませんでした。
一次側ヒューズは飛んでいませんでした。ブリッジダイオードもショートしていません。
電解コンデンサーの破裂・液漏れもありません。こうなると、通電して順番に地道に確認していくしかありません。
一次側は、ちゃんと電圧がでています。（高圧(140V)なので注意）
では二次側の電圧を調べると？？？
全く電圧が出ていません。こうなると一次側のスイッチング回路がおかしいことが考えられます。
スイッチング回路周辺を確認してみると・・・うん？イモ半田を発見！
半田を吸い取ってみると・・・パターンに半田がついていません
部品の足には半田がついていましたが、パターンに半田づけされていない状態です。しっかり半田づけを行いました。
再度通電してみると・・・二次側もきちんと電圧が出ています。
検査用のデスクトップパソコンに接続してみましたが、正常に起動しました。さらに半日ヒートランを行いましたが問題ありませんでした。
ただしこの電源には、液晶用のコネクタがありますが、検査用パソコンは未対応なので電圧が出ていることを確認して完了です。
おそらく部品の足が、イモ半田でかろうじて接触していて動作していたのが、なんらかの原因で接触しなくなり、スイッチングできなくなってしまったのでしょうね。
電源ユニットの不具合の場合は、内部の電解コンデンサーの破裂・液漏れが原因のことが多いのですが、今回のようにイモ半田が不具合の原因であったのは初めてです。
この電源メーカーの品質管理に疑問を感じてしまいました。
P.S. その後お客様からメールがあり、電源を実機に取り付け問題なく機能しているとご連絡がありました。（2009.3.29)
