仕方ない。
悪いのは、彼女じゃない。
そして、僕でもない。
僕はやっぱり、淋しがり屋なのだ。
一緒にいたい。
でも、束縛したくない。
自由が僕にとって、
彼女にとって大切な事を分かっているから。
執着は彼女自身を
僕自身を良くない方向に向かわせてしまう。
僕は彼女を縛りたくない。
彼女に執着するような発言をしたくない。
そうすると、自分がどんどん狭くなってしまう。
そして、
僕には仕事がある。
これが一番だ。
子供たちが日本にいる。
そのために、
欲する、欲しないに関わらず、
僕は会社で働かなければならない。
働いている限り、
夜の世界との関わりを断つことは出来ない。
そして、
彼女はいつも僕のそばにいる訳ではない。
彼女は、
チェンマイに家を買った。
娘がチャンワッタナにいるのは仕方ない。
僕だって息子最優先だ。
でも、
遠くチェンマイにいるのは別だ。
この状態は、厳しい。
仕事を辞めて、
僕だってチェンマイで暮らしたい。
でも、無理だ。
今は無理なんだ。
彼女と二人で暮らせていけたらどんなに良いか。
でも、
僕にはその自由は無いのだ。
悪いのは、彼女ではない。
しょうがないのだ。
そういう境遇なのだ。
そういう状態なのだ。
それが遠距離恋愛であり、
僕の不自由さであり、
僕の不器用さであり、
僕の誠実さなのだ。
僕自身への。
彼女への。
彼女には不誠実に映るかもしれないが、
これが僕の一番正直な生き方なのだ。
どうにもならないのだ。
でも、
彼女には言い訳はしない。
説明をすることの無意味さ、
情けなさ、
虚しさを一番分かっているのが僕自身だ。
これで続かないのであれば、
所詮それまでの繋がりだったのだ。
昔のように
いつも2人で屈託なく笑い合うことができないのは
辛い。
でも、
仕方がない。
そうなってしまったのだ。
執着すれば、
もっと大切なものを失ってしまう。
そして、
僕は執着してしまうのだ。
しっかりしていないと。
そして、
僕は彼女が執着を最も嫌う事を分かっているのだ。
彼女自身も。
そこに未来はない。
それが、
彼女の正直な生き方であり、
僕の正直な生き方なのだ。
それを彼女に説明する事は出来ない。
彼女自身が状況を作っており、
それを僕は説明する事が出来ない。
これもまた
真実なのだ。
自分を責めるべきではない。
彼女を責めるべきではない。
それは、運命なのだ。
当然の帰結なのだ。
その先に、
一緒にいる未来があるかどうか。
ただ
それだけなのだ。
見てみよう。
焦らず、
飾らず、
偽らず、
見てみよう。
待ってみよう。
未来を。
行き着く先を。