僕は今、スラタニ。
彼女は今、チェンマイ。
僕は身動きの取れぬ会社員で、
彼女は自由な個人事業主。
僕は猫が好きで、
彼女は犬好き。
僕は彼女の眼と声が好きで、
彼女は僕の大きな頭と年齢が好き。
僕には日本に2人の息子がいて、
彼女にはバンコクに中学生の娘がいる。
僕はタイ語が下手で、
彼女は英語が下手。
僕はバツイチで独身、
彼女もバツイチで独身。
僕は人生に勉強と探究を求め、
彼女は人生にお金とユーモアを求める。
僕は読書が好きで、
彼女は映画好き。
僕はウォーキング好きで、
彼女はインドア派。
僕は束縛を最も嫌い、
彼女は嘘を最も嫌う。
2人とも古着好きで、
2人とも自由主義。
2人は、誕生日にもらった、お揃いのブレスレットをしている。
人とお金が集まるタイガーアイ。
良いカップルだと思う。
なかなか得難い、大切な存在だ。
彼女とずっといつも一緒にいられれば良いのに、と思う。
彼女もそう思っている。
しかし、実現しない。
だから、自由なのだ。
だから、きっと良いのだろう。
いや、良いかどうかは分からない。
ただ、そのように流れていくしかないのだから。
最も忌むべきものは、
執着なのだから。
きっと。
2人にとって。