笑うセールスマン

　２月１６日（水）　対戦相手：秘密の暗号
　電話口

　あんまり家に電話って掛かってこないんですけど、掛かってきてもナンバーディスプレイで『非通知』とか出ると絶対に出ませんね。携帯も非通知だと取り次がない機能にしてありますし、まあ、ボクも含めて掛ける時は顔を明らかにして電話しましょう、というポリシーがそこにはあるのです。

　午前中に掛かってきた一軒の電話。番号表示されていますが、見た事の無い番号です。普段は取らないで、「要件あったら留守電に入れておくだろうし、こちらから掛けなおしますよ。」程度で居留守使うんですけど、出てきた番号は０１２０で始まるフリーダイヤル。ちょっと気になって電話を取りました。

　相手は、某インターネットプロバイダーのセールスマンです。こんな素敵なサービスがありますよ。今なら無料お試し期間ですから。いかがですか？必死にセールストークを展開しています。セールスマンの熱意に負けて、というより、断ろうとしたこちらの意図が伝わらなかったせいか、資料を送ってもらう事にしました。

　「では資料の送付先の住所は○○○…でお間違え無いですか？」
　「はい。」
　「お電話番号は今のこの番号で宜しいですか？」
　「はい。」
　「お送りする資料にパスワードなどが書いてありますから、それを入力してお使い下さい。」
　「はい。」
　「では最後に、そのパスワードを忘れてしまった場合の“秘密の暗号”というのを、今決めていただいております。」
　「暗号…ですか？」
　「はい、簡単な質問文とそのお答えのふたつで構成されております。例えば『お客様の血液型は？』『Ａ型』とか。『好きな色は？』『赤』とか。」
　「うーん、何がいいですかねぇ？」　
　「何でもいいんですよ。」

　電話の近くを見回すと、身体のメンテナンスに使う湿布が目に入りました。

　「じゃあ、シップに…」
　「は？」
　「湿布です。貼る湿布。筋肉痛の時に使うヤツです。」
　「はいはい。」
　「『湿布に含まれている成分は？』でどうでしょう？」
　「あの…１０文字以内でお願いしてますので。では『湿布の成分は？』でどうでしょう？」
　「いいですねぇ。」
　「で、答えの方は何になりますか？」
　「はい。『インドメタシン』でお願いします。」

　傍から見ると、大の大人が何の話してるんだろう？昼の、日本経済が一番活性化する時間帯に湿布とインドメタシンですよ。で、思いつきで決めた暗号だけあって、もしも万が一パスワードを忘れてしまった時、暗号の質問事項も忘れてる可能性は大きいです。

　たぶん、資料送ってもらっても使わないね。