雅子様のジャケットのウエストラインの中央に、同色の紐で作られた幾つもの小さな輪や結び目が見える。
「飾り紐」だ。
「飾り紐」は古くからある伝統文化だが、現代でも私達の生活に根強く残っている。
神社仏閣の御守り袋に付いている紐、バッグなどに括り付ける紐も「飾り紐」。
「二重叶結び」という縁起の良い飾り結びで袋の上部を締めている。
この「二重叶結び」は結び目の表が「口」裏が「十」で「叶」「かなう」という漢字を表す。
「飾り紐」とは組紐を飾り結びで結んだもの。
飾り結びの結び方にはいろいろな種類があり、結び方によって意味や用途が違う。
祝儀袋の水引の結びも飾り結びだ。
雅子様の服の「飾り紐」はテーブルに隠れてほんの一部しか見えない。
残念ながら結び方までは分からなかった。
紐ベルトのようにしてバックルの部分に飾り結びを施しているのだろうか。
それならば女性の着物の帯留めを「飾り紐」にするのと近い。
女性の着物では縁起と華やかさの演出で、帯締めや帯留めを「飾り紐」にする事がある。
洋装に取り入れた事、今回ほんの少し見えるだけで華美にしなかったところが良かったと思う。