女子皇族は未婚のままでも皇室に残れない
皇室経済法には要約すると、
既婚の男性皇族は独立した生計を営むとみなす
未婚は男女とも独立した生計を営まないとみなす
と書かれている。
独立した生計を営むとは当主の事であり、家の維持の為に当主は増額される。
未亡人の妃が独立した生計を営む事については皇室経済法で認める記載が有る。
独立した生計を営めないという事は、当主と生計を一つにする同居の扶養家族という立場でしか皇室にいられないという事。
宮家を相続出来ないという事。
だから、女子の相続を一代限り認める「女性宮家案」が提案されているのだ。
そもそも宮家は、皇位継承の対象となる男子が皇族の身分と位を保持し、相応の生活を得る事を目的としている。
戦前は男子の独立・宮家創設は結婚前、成人が正式な独立・宮家創設のタイミングだった。
自分の家を持ち、独立して始めて一人前と認められた時代。
戦後、結婚が独立・宮家創設のタイミングとなったのは、戸籍制度が結婚によって子供が独立する(籍を抜ける)形に変更されたからだ。
皇室も民法が適用される事になっており、昭和天皇の遺産相続では次男の常陸宮殿下が放棄したと報道された。
三笠宮家の次男の故宜仁親王は、未婚のまま桂宮家を創設した。
皇室経済法では男子も未婚では独立した生計を営まない事になっているが、独立後の住まいは宮内庁が管理する公邸とし、新しく宮邸を建てる事は無く、独立で認められる一時金の支出も抑えられた。
そうした配慮は男子、皇位継承者だからできた事。
当主になれない女子は扶養してくれる当主の存在が不可欠。
という事で、「皇室に居られるのは祖父母や両親の存命中に限られる」と書いた。
皇室経済法
附 則 (昭和二七年二月二九日法律第二号)
1 この法律は、昭和二十七年四月一日から施行する。
2 この法律施行の際既婚者たる親王は、改正後の皇室経済法第六条第三項の適用については、独立の生計を営む親王とみなす。
3 この法律施行の際未婚者たる親王又は内親王は、改正後の皇室経済法第六条第三項の適用については、独立の生計を営まない親王又は内親王とみなす。
第六条
五 王、王妃及び女王に対しては、それぞれ前各号の親王、親王妃及び内親王に準じて算出した額の十分の七に相当する額の金額とする。