皇太子時代の天皇陛下とウィリアム王子の写真撮影では天皇陛下が上座にあたる向かって左に並ばれた。
格式を重んじる皇室では、相手の地位や役職に相応しい待遇をする。
ただ、外国の首相や外務大臣、議長など政治家の待遇は難しい。
格下扱いをして政治家に対する国民の人気を下げてしまうと相手国の政治にも大きな影響を与えてしまう。
そこで両陛下は皇太子時代から色々な配慮をなされている。
例えば、ブルガリア国民議会議長夫妻との引見では、向かって左側の椅子に皇太子時代の天皇陛下、議長夫妻は右側。
しかし、部屋の入り口は左側で右側が部屋の奥の窓側。
ブルガリア議長夫妻は奥の窓側に座っていて完全な下座ではない。
しかも、大きな花瓶に活けた花がブルガリア議長夫妻の後方に置かれ、主賓席の華やかさがある。
通常は、
下座(下手)が向かって右側となる為、部屋の入り口は右側に作る。
ところが、東宮御所の会見場は床の間にあたる壁の向かって左側、本来は上手に部屋の出入り口、右側を窓としている。
その為、上座と下座の区別をつけにくいが。
会見場には掛け軸が掛かっているような床の間的な壁があるので、部屋の出入り口と関係なく壁を背に向かって左側に座られている皇太子殿下が上座だった。
翻って、
秋篠宮ご夫妻は床の間的な壁をバックに下座側。
しかも、この部屋の出入り口は向かって右側なので、上座と下座の位置の分かりづらさは無く明確に決まっている。