・漆Lacquer/Japan うるし
ウルシ科の落葉高木。中央アジア高原原産。高木、低木または藤本(とうほん:蔓植物)。葉は3出または羽状複葉。樹脂道があり、幹に傷つけると多量の樹液を分泌する。花は小さく5数性で放射相称。果実は液果状で、中に1個の大きな種子をもつ。
ウルシの樹脂から漆をとり、実から木蠟 (もくろう) の採取を、漆とは、漆の木から採れる樹液の事を指す。北海道 垣ノ島遺跡から約9000年前の副葬品が出土し縄文時代から器の塗料・接着剤などとして使われた形跡がある。漆のことをJapanと呼ぶほど漆は日本のものとして認識、チャイナChinaには陶磁器という意味もある。
現在、日本国産は1.8%といわれ海外、中国からの輸入が多くを占める。 植樹して10年くらい経つと乳白色でドロッとした樹液が採取できる。言葉の由来は麗しい(うるわしい)、潤う(うるおう)からといわれ、みずみずしく艶やかな光沢漆の美しさを表している。生の漆が肌につくとかぶれるが、これはフェノール誘導体ウルシオールUrushiol、ラッコールLaccolによるアレルギー反応による。昔の漆職人などは、漆に被れないように、少量の漆を飲んだと言われる。25~30 ℃、湿度 75~85%で乾固(かんこ)する。
漆の新芽はえぐみが少なく、タラの芽に似て美味という。揚げ物、味噌汁の実とする。敏感肌では舌がピリピリするというので控えたほうがいい。
天然樹脂の油性塗料の一つで漆が持つ防腐、殺菌作用から、大切なものを守るための物として使われる。漆は固まると強度が増し、水をはじき 湿気や酸、アルカリに強い。古くから中国では駆瘀血剤(くおけつざい)漢方薬で乾漆(かんしつ)として、血行促進・胃酸過多・虫下し等に用いていた。
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