・食品の衛生と安全food hygiene and safetyしょくひんのえいせいとあんぜん
じめじめした気候が気になる季節です。食品の製造に携わっている企業では、食中毒予防の観点などから食品衛生について細心の注意が払われハセップ・ハシップ・ハサップ(Hazard Analysis Critical Control Point)、ISO(ISO22000)の取得がされています。
HACCP、ISO22000のこの両者にどのような違いがあるのでしょう。
◇HACCP(Hazard Analysis Critical Control Point)
HACCPは米国のアポロ計画で宇宙食の安全性を確保するためのシステムとして1960年代に考案されています。
食品衛生上の危害の発生を防止するために、食品の生産から加工にいたるあらゆる段階で発生する恐れのある微生物汚染物等の危害について調査・分析(HA)し、分析結果に基づき各工程のどの段階でどのような対策を講ずれば、より安全性を確保できるかという重要管理点(CCP)を定めています。
この重要管理点が遵守(じゅんしゅ)されているかどうかについて常時監視記録することにより、製造工程全般を通じ、食品のより一層の安全性の確保を図っていくシステムです。
監視結果の記録により事故が発生した時の原因究明、消費者からのクレームに適切に対応ができるようになります。
平成7年(1995年)5月の食品衛生法の改正により従来の一律の基準により規制されていましたが、事業者からのHACCP方式に基づいた措置(総合衛生管理製造過程)を経て製造されていることの申請によって、一律の基準によらない方法が認められます。
◇ISO(International Standardization for Organization)22000
ISO22000とは、食品安全を目的としたISOマネジメント国際規格です。
スイスに本部を置く国際標準化規格認証機構(ISO:International Standardization for Organization)で2005年9月に発足したものでOPRP(オペレーション前提条件プログラム)とHACCP管理を組み合わせた食品安全のためのマネジメントシステム規格です。
ISO9001(顧客満足を向上させるための品質マネジメントシステム)をベースとしHACCPの合体規格ともいわれます。
HACCPは、工場内での食品の衛生、安全対策が主に取られています。
HACCPに不足しているものを補うことからISO22000では、原料の野菜であれば畑から取ってきた段階からの食品の原料から消費者の口に入るまで農場から食卓までの全ての工程においての安全性、食品衛生の確保、食中毒予防であることがいえます。
この規格が対象とする業種は、農畜産物・水産物の生産・食品加工製造、飼料生産、物流、卸売・小売、スーパー、食品加工機器・包装容器製造、食品の貯蔵、ホテル・レストラン・飲食業等、食品に関わる全ての業種、フードチェーン全体が対象となります。
衛生面を重視するあまり基準が定められているとはいえ食品添加物、農薬の問題をなおざりにすることはできません。
コンピューター、冷凍技術も導入され以前に比べ在庫管理はしやすくなってきてはいるものの、野菜類の生鮮食品では天候の変動によって値動きが激しいようです。 ISO22000を取得しているからといってその製品は、100%安全、安心とは言い切れないようです。
ご愛読戴きましてありがとうございます。よりよい情報をお届けしてまいります。