年末・年始には、テレビ局が人気のドラマなどを、一挙放送しています。
ケーブルテレビで30日までに一挙放送された『銀二貫』を、また、見てしまいました。
初めてこのドラマを見た時の私は、セレンディピティを閉店して、教室だけを自宅で開いていくといった、「もう一度立ち止まって、身の回りのことを整えよう・・・」のとき。
その時は、フィギャスケートのオリンピック金メダル獲得の羽生選手の姿を何百回(?)も見て、YouTubeで斎藤ひとりさん、石田久二さんなどの話を聞き、そんな真摯な姿や言葉に癒されながら、自分の商いやお客との接し方を見つめていたときです。
このときに、テレビでは『銀二貫』に出会いました。
津川雅彦の芸の上手さを心底認めました。
商人としてこうありたいと思えるほどの、深い眼差しが表現されていました。
販売という業種の中で、必死で物を売ることを考えていたように思いますが、人格が
出来ていない・・・、この深い眼差しを、心を交わす人たちに、注ぐことができない・・・
私の人となりの未熟さを、感じさせたドラマでした。
8月にセレンディピティを再開しました。
眠るように、降り注いでくる何かに、口を開けっ放しでいるような2年半の月日でしたが、目が覚めてみると栄養を十分蓄えた農地になっていました。
何が芽を出して、どんな実が結実するのか分かりませんが、実感するのは、足元の土が、栄養豊かなものであることです。
銀二貫の最終回でも、またまた、感動しました。
「わしは、ええ目利きやろ・・・」
神社に寄進すべく銀二貫で、松吉の命を買った和助が、番頭の善次郎に臨終の場で言った言葉です。
その買い物をした自分を信じて、松吉を商人に育て上げる和助の姿勢は、他の人々に対するときも同じで、多くの人を導く才覚です。
「あぁ、あんな人になりたいものだなあ・・・」
足元にある栄養を蓄えた農地というのは何か・・?
「それは、ありがとうの心です」
人に対して、まして夫に対して素直に言えなかった「ありがとう」の言葉が、何故か、心の中でポン!と飛び上がるのです。
それが、真実に心のポン!なのか、もっと時間が経たないとわかりませんが・・・
訳のわからない話になる前に、この辺で口を閉じることにしましょう。
銀二貫の最終場面での和助と善次郎のやり取りを抜粋して
・・・・・・・
念願の寄進を終えて安心したのか、82歳の和助は寝込むことが多くなる。和助の枕元に来た善次郎が呼びかけると、夢を見ていたらしい和助は、「なあ、善次郎、私はええ買い物、したなあ」とつぶやく。善次郎も、仇討ち買いのことを言っているのだと悟り、涙声で「へえ、旦那さん。ほんに安うて、ええ買い物でおました」と答える。
・・・・・・・
【ウィキペディア】より銀二貫の紹介です。
・・・・・・・
『銀二貫』(ぎんにかん)は、髙田郁による日本の時代小説。2008年の第2回日経小説大賞にて最終候補作品となり[1]、翌2009年6月10日に幻冬舎より刊行された。父を仇討ちで亡くし、大坂天満の寒天問屋の主人に銀二貫と引き換えに命を救われた武士の子が、商人として成長する姿を描いた人情劇。
大阪の書店員らが大阪ゆかりの小説の中から「ほんまに読んでほしい」本を選ぶ「Osaka Book One Project[注 1]」の第1回(2013年)受賞作品[2]。
・・・・・・・
松吉 - 林遣都 真帆・おてつ - 松岡茉優もよい演技でした。さらにとてもよかったのが、ザギトワのまさるならぬナレーターの秋田犬(?)です。可愛い!!