emikolife 107話に続き、健康情報誌『ホスピタウン』より、文章を抜粋して、生きるヒントを探してみたいと思います。
「長生きの先達に学ぶ!」で取材した3人の方の中のおひとり、インド研究の第一人者の荒松雄さんの言葉です。
====抜粋文章====
・・著書に”森”という言葉がありますが。
「インドの影響ですね。インド人は、人生を4つに区分したライフスタイル持っています。「学生期(がくしょうき)」「家住期(かじゅうき)」「林住期(りんじゅうき)」「遊行期(ゆぎょうき)」というものです。「林住期」とは、世俗の義務を終える頃になったら、森や林に行って、今までの自分の人生をゆっくり振り返ってみようじゃないか。それから、来世のことも考えよう、ということです」
・・すでにこの心境に達しているのでは?ところが、そうとも思えない、世俗への好奇心溢れる言葉が‥
「僕にも、心の過渡期はありますよ。しょっちゅう迷っています。きれいな女性に会いたい、できれば恋をしたい。でも、この年になってそれが行動に表われたら、やっぱりおかしいじゃないですか。それを出さないところが、人間の人間たる所以でしょう。それに、最愛なる女房がいますしね」
・・森を見つめるということは、老いを見つめることなのだろうか?
「そうですね。若い頃は、何でもできると思うし、また、どんなことでもやれるでしょう。中年になって社会的条件が整ってくるとできなくなる。そうやってだんだん年をとって、条件が悪くなっていく。体が思うように動かなくなり、いろんなことを切り捨てていかないといけない。だから、これからは、研究も含めて僕の得意な面を伸ばそうと思っている。不得意なことに取り組むエネルギーがなくなるんです。目はダメだし、手はしびれるし、幸いワープロが僕にとっては神の助けみたい。そういう意味では、老いはマイナス面の増加と考える必要がある。だけど、マイナス面の増加こそが人間を成長させるんじゃないかとも思う」
「今の僕にとっては、選択ということが大事ですね。なにもかもやろうとしてもできない。やっぱり自分がやりたいこと、得意なものの中で、出来ることを伸ばしたいと思う。自分の限界を考えて、出来ないことがわかったとき、人は自分を振り返るでしょう。年を取るってそういうことだと思いますね」
・・森に行き、自分を見つめ、人生を振り返った人の言葉が出てくる。荒さんの言葉は、自分の出来ることをとことん見つめた人の言葉だと実感する。
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荒さんの言葉の中に、男性の「生きる」を見つけたいと思いましたが、年を取るという現実に向き合うときは、男も女も区別はありませんね。
体も心も、「生きる」条件を悪くし、気がつかないうちに、いろんなことを切り捨てて生きていくことに‥‥
~何もかもは出来ないとわかったとき、自分を振り返る。
年を取るって、そういうことだと思うんですね~
大切にしたい言葉です。
振り返ってみると、いろいろなことを切り捨てていることに気がつきます。
今の自分を見つめて、こんな自分でもいいかなぁ‥と納得するのは、「自分がやりたいこと」は、やっているなぁと思えるからです。
さて、皆さんはどうですか?
😁 見出しの画像は、プランタの中で密生している
トラノオの花です。花が小さくなりました。
昨年の水彩画教室の木下先生のトラノオの花です。