emitanの心にうつりゆくもの

日常のこと、テレビドラマのことなどを中心に・・・

鍵のかかった部屋SP

2014-01-05 22:19:46 | naohitoさん
2014年1月3日 スペシャルとして放送された 
「鏡の国の殺人」

・・・人は誰でも、心の中に暗闇を抱えて生きています。
今回の密室は、その深く暗い闇によって作り出された、出口のない迷路だと言えるでしょう。
果たして出口のない迷路から脱出する事なんて、本当に出来るのでしょうか?
方法はただ一つ、どうか目を逸らさず、そこにある暗闇をじっと見つめてみてください。
固定観念を捨て、色眼鏡で見ることなく、真実の姿をとらえることが出来れば、必ず出口に辿り着けれるはずです・・・


連ドラの時から「面白いかも」と思っていた本作。
回によって入り込めないものもあったのですが、榎本径(大野智)と芹沢豪(佐藤浩市)と青砥純子(戸田恵梨香)の3人の掛け合いが面白かったのですよね。
そして「榎本は本当は泥棒なのか!?」というような終わり方だったのですが、その連ドラの最終回から上手くこのSPドラマにストーリーが引き継がれていって、ラストも連ドラの最終回からさらに一歩進んだ形で意味深に終わっていたので、とても良い形でまとまっていたなぁ!と思いました

榎本は、泥棒相手にグッズを売っているということなんですよね?(笑)
経営するショップ内では警察の無線を傍受していたり、紹介制だから飛び込み客はお断りとか、「私の経験上、この商品が一番ピッキングの形跡を残さないのは確かです」と言って5万円もらってニヤリって・・・
刑事・鴻野(宇梶剛士)が榎本を逮捕するまで、このドラマはずっと続いていきそうな気がします。

「貯金です」「一生懸命貯めました」
「それは明日お話します」

テンポ感が抜群でした

芹沢が翻弄されているのが、またストーリーを面白くしていて楽しかったです。
郁子(黒木瞳)が犯人だと思い込んだり、命を狙われていると怖がって…まぁ、実際に命を狙われていた(威嚇されていた?)のですけど、それは密室事件とは別の人から逆恨みされていた事だったいう・・・。
佐藤浩市さんは、今回もかなり楽しそうに演じていらっしゃったような。
「今は機嫌がいいから、何を言われても怒んないぞっって青砥に言った時には、爆笑してしまいました(笑)

リピートして観ると、音楽と榎本の目線がキチンと証拠やヒントとなるセリフに当てている瞬間が何か所もあって、リピするとまた違った面白さがありました。
 稲葉:「人の脳は、視覚からの情報だけだと間違った判断を下してしまうことがあるんです」
 青砥:「一つ一つずらしていくなんて大変なんですよ」
などなど


このドラマって、密室を作り上げている人(犯人)の様子を冷静に観ていると、ホントに滑稽ですよね。
平松(佐野史郎)のトリックは、榎本に「稚拙」と言われていたように、あんなにヒモを張り巡らせる労力があるなら別な所でその能力を使えよ・・・と苦笑いしながら観てしまったのですが、お金に溺れてしまうと意地でも成し遂げようと思ってしまうものなのかな・・・。
(あと、全ての紐を完璧に引っ張って全ての窓の鍵を閉めないと完成しないのだけど、そんなにうまくいくものなのだろうか 笑)
稲葉透(藤木直人)のトリックも「ここまで考え上げるとは!」とは思うものの、匍匐前進したり(ある意味サービスカットでしたがw)、偽装するために防犯カメラの近くでワザとウロチョロ作業してみたりという、犯人だと分かって観ると部分部分では滑稽に思え・・・

でも稲葉のトリックは、榎本も言っていたけど「劇場型」「緻密」「自己顕示欲が強い」ということがよく現れていて、一連の流れで映画に出来るんじゃないか(スペシャルドラマになりましたけどw)という位に綿密に練られていて美しくすら感じ(※殺人はいけませんが)、「不思議の国のアリス」をモチーフにしたアート展(「鏡の国のアリス」)と見事にリンクしていて、まさに芸術的だなぁと思いました。

それにしても、企画展「INABA TORU ART 鏡の迷図 ~錯視と芸術~」のセットは素晴らしかったですね!
可愛らしい絵と、スタイリッシュな色合いと、色々な錯視作品と・・・。
こんな展示会があったら、是非行ってみたいです!!
「シルエット錯視」は、私には何度リピしても右回転にしか見えなかったです
「ハンプティ・ダンプティ」を反対にする(ホロウマスク錯視)のは殺人に使ったトリックでしたけど、これもなるほどなぁ・・・と。
偏光レンズ・フィルムの関係とか、今回は色々な驚きが多くて、観ていてとても楽しかったです!
美術さん、大変だっただろうな・・・
舞台となった美術館も、素敵な感じでしたね。
あと、稲葉の自宅アトリエですが、部屋と部屋との仕切り?が大きな鍵型になってような気がする等々、
今回のドラマでは映像だけでも美しくてかなり楽しめました。


稲葉の密室殺人については、何だか物悲しさも漂っていましたね・・・。
平松は稲葉と出会ってからずっと20年間稲葉一筋で支援して育て上げていったのだけど(「一心同体」ですって。ちょっと誤解も招きそうな表現だけど? 笑)、
稲葉の作品を利用して得たお金を違法に運用し、
稲葉が専属契約を解除したいと訴えたら「お前の作品にここまでの高値がつくようになったのは、この俺が裏でオークションの価格操作を行ってきたからなんだよ。俺が本気でお前の才能に惚れてるとでも思ってたのか?お前には無いんだよ、才能なんか。せいぜい金になるガラクタを作ってくださいよ」と言い放って・・・。
絶望した稲葉に同情してしまいました(フジッキーファンだから? ※でも殺人はいけません)。
最後に稲葉が発した「作れないんだ…アイツを殺してから全く…。俺はもう、この迷路を完成させることは出来ない。もう何もつくることは出来ない…。アイツの言う通りだったよ…」という言葉が、何とも言えない苦しさが感じられてジーンときました。
短い回想シーンで「平松=酷い・腐った奴」という強烈な悪役印象を植え付けた佐野さんの演技も素晴らしかったというのもあると思います。
(フジッキーの事については、最後にもう少し書きます 笑)


マンションの管理人の小檜山(岡田義徳)は、怪しさ満点ですごく良かったのだけど、風貌が怖すぎたかもw
榎本にマンションの防犯カメラの設置を依頼していたってことは、泥棒仲間経由で紹介してもらったって事なんだろうけど、まさか「密室活人事件&密室掃除魔事件」まで解明されるとは思わなかったでしょうね
でも、そのおかげで「藤林(黒部進)の家に空き巣に入ったけど藤林自体は殺していない」という嫌疑を晴らしてもらえたのですけどね。
なぜ藤林の家を狙ったのかが引っかかるのですが、まぁドラマですから・・・


CMの入り方が悪すぎると思ったのと、CMが明ける度に何秒かCMの直前シーンと被るのが煩いなと思ったのと、しまいにはご丁寧に途中で「これまでのダイジェスト」まであったのには苦笑いするしかなかったです
CMを切ったらちょうど120分だったので、(民放だからCMを入れないといけないのは分かるから)全体で2時間半になったのは理解できるけど、入れ方が…
せめて、5分もしないでCMを入れるのは止めていただきたかったです。
1分30秒のCMを入れているのが多かったけど、そこを2分とか2分30秒にして、もう少しCMに入る回数を少なくした方が良かったんじゃないのかな??
面白い内容だったのに、CMの回数が多すぎてやや興醒めしてしまいました・・・残念です


ということで、CM以外は本当に楽しめた内容のドラマだったと思います
またスペシャルドラマで続編が観たいです!

_______________

最後は、稲葉役をしていた直人さんについて、もう少し書きます
完全にファン目線になります、スミマセン(笑)

アーティストな感じがとても出ていて、すごく良かったなぁ!と思いました
セリフは少ないし、服装は暗めな衣装ばかりで、照明も暗かったけど、目が大きいから目の動きがとてもハッキリと出ていて、直人さんにピッタリとした役だったのではないか・・・と。

「ハンプティ・ダンプティ」の謎を解明されていった時に、稲葉は無言だったのだけど、大きく見開いた目で驚き→怒り・悔しさを少しずつ出していった所が、とても素晴らしかったなぁと。
そして、偏光レンズのトリックが暴かれた時に更に大きく目を見開いていって、「ハッ!」と言い捨てた所が、何だか最近の直人さんの役には無かった感情が出ていて良いなぁと思いました。

榎本に「自己顕示欲が強い芸術家タイプの人の犯行だ」と暗に犯人であることをほのめかされた時に、冷たい表情の後に薄ら笑みを浮かべながら「密室の謎が解けなければ単なる仮説に過ぎません」と言った時の、微かに変化させる表情も、すごく良かったです

一番のツボだったのは、
 平松を殺す方法を考えていた時の、真剣なまなざし
かな。
私、やっぱり直人さんの目が好きなのかもしれません(笑)

衣装的には、
 藤林宅周辺の森の中にいた時の革ジャン・皮手袋姿
が好きでした
(これが、たぶん幻の○イダー姿なんですよね?←FCに入っている人しか分からないネタですが)

匍匐前進は、足が長くて美しかったです(結構ツイッターで匍匐前進に反応している方が多かったw)
首を絞めた場面は「道夫君!!(by夜光の階段)」と心の中で叫びましたが(笑)
夜光の階段以来の殺人犯役でしょうか・・・陰のある役が久しぶりだったので新鮮に感じましたが、こういう役どころも結構合っているのではないかと思いました
(夜光よりも深みがある感じだったような・・・←上から目線でスミマセン)

ドラマ自体も面白かったけど、直人さんファン目線でもなかなか良かったと思える作品だったので、お忙しい中での撮影(ドクターXの撮影中)だったようですが、オファーを受けてくださって良かった!!と思いました。
本当にお疲れ様でした!!
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2 コメント

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深み (ゆき)
2014-01-06 20:43:44
いやぁ、私も「深み」を感じたよ(これまた上から目線、笑)そして道夫くんを思い出しました(笑)

今回の松田監督の『鍵部屋』シリーズの映像が結構好きで、三人の掛け合いも好きなのでそこに直人さんが加わって満足なSP でした!

榎本さんはやっぱりドロボウさんなんですね(笑)
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>ゆきさんへ (emi)
2014-01-07 16:40:17
ゆきさん、コメントありがとうございます!

「深み」ありましたよね~!
道夫君は道夫君でよかったのだけど、今回はそこから更にグッと増したものが…(と、今日も上から目線でスミマセン 笑)

松山監督のこの鍵部屋は、「ライアーゲーム」に似ていますよね。
「○せになろうよ」では発揮されませんでしたが(笑)、本作では他にはない映像美が味わえて、そういう面でもおもしろいし、メインキャストの3人も相変わらずおもしろいし、私も大満足でした♪

榎本さん…少しずつ本性が明らかになってきましたね(^_^;)
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