第6話 「ママになりたい」
星野洋介(藤木直人)は慌てて自宅に戻り、妻の姿をしている早川薫(姿は妻・友美/永作博美)にがんなのかを尋ねると、薫(姿は友美)は「薫に聞いたの?認めちゃうんだ、薫と一緒にいたこと。いいんだ、それで」と話す。
洋介が「何で言ってくれなかったの、体の事!」と怒ると、薫(姿は友美)は「話そらさないで。薫に私ががんだから早く帰れとでも言われた?で、急いで帰ってきた訳?そりゃあ奥さんが病気だったら、他の女と遊んでる場合じゃないもんね。で、終わり?お遊びは。それどころじゃないから。そうでしょ?そう言ってあなたを送り出した女の気持ち考えた?」と話す。
洋介がそれでも自分に病気の事を話さないのはおかしくないかと怒り、「最近感じが変わったよね、友美。薫さんと俺とのことが原因?別に逃げるつもりはないから。友美、病気の事ちゃんと聞かせてくれないか?」と話すと、薫(姿は友美)は乳がんが進行していて左胸を切除するために再来週の木曜日手術すると話す。
洋介が「友美…大丈夫なの?」と尋ねると、薫(姿は友美)は「大丈夫なわけないでしょ!」と怒るが、息子・健人(橋來)が夫婦喧嘩をしていると思って心配そうに部屋から出てきたため、薫(姿は友美)は健人と共に寝室に行ってしまう。
翌朝も健人が元気がなさそうにしているため、薫(姿は友美)は「たまにはサボっちゃおうか」と言って幼稚園は門の所でサヨナラをし、伊豆まで電車に乗って出かける。
薫(姿は友美)は健人と浜辺でたくさん遊び、浜辺近くの旅館に泊まることにし、洋介には電話で伝える。
翌朝、薫(姿は友美)から連絡を受けて友美(姿は薫/石田ゆり子)が伊豆にやってきて、薫(姿は友美)が「本当なら母親であるあなたが言うべき事かもしれないけど、でも私、言いたいんだ、あの子に病気の事。こんなこと言ったら嫌かもしれないけど…言ったよね、産んだから母親になるんじゃない、母親になろうと努力したからなれるんだって。私、ちゃんとあの子の母親になりたいの。だからゴメン、私が言いたい。見届けてほしい」と話すと、友美(姿は薫)は「分かった」と答える。
薫(姿は友美)は健人に「ママはね、今とても重たい病気にかかっているんだ。ママの体の中にはね、悪いバイ菌みたいなのがいっぱいいて、ママの体を自分たちのものにしようとしているの。でもね、ママは闘ってるの。悪い奴らと一生懸命闘ってるの。それは何故かと言うと、あなたの事が大好きだから。ママは健人とずっと一緒にいるために頑張ってるんだ。闘ってる。負けないよ、ママ。だって、健人のママは強いでしょ?うん、負けない。でもね、これからママは悪いバイ菌たちと最後の闘いをしなきゃならないの。病院で、先生方と。だからちょっとだけ健人と会えなくなるんだ。やっつけるのに時間がかかるからね。分かる?我慢できるよね、健人?ママの応援してくれるよね?」と話すと、健人は「はい」と答え、二人は泣きながら抱き合う。
ある夜、洋介は薫を自宅に呼んで友美と共にリビングに座らせ、自らの思いを話し始める。
「2人に僕の頼みを聞いてほしい。君たち2人は親友だ、昔からの。少し疎遠にはなっていたみたいだけど、僕には分からない深い絆のようなものがあるんだと思う。薫とは仕事で出会った。うちの社が協力した映画祭の会議で。僕はその席で薫を素敵な人だなと思った。友美とはタイプの違う女性だと思った。薫は当たり障りのない意見しか言わない男たちに対して、一人だけ自分の意見をハッキリ言った。そして、映画への愛や熱意を語った。強い口調で。男たちはみんなどこか失笑していた、その青臭い意見に対して。現実はそうはいかない。僕も立場としてはそちら側の人間だ。でもそれが素敵だと思った。いい女だと思った。『抱きたい、自分のものにしたい』と思った。で、会議が終わった後、僕の方から誘った。その後、薫が友美の親友で、薫から見たら僕は親友の夫である事が話をしてて分かった。薫は心の底から驚いた顔をしていた。その事を薫がどう思ったのか、僕には分からない。でも、僕は何だか驚いたって言うより腑に落ちたんだ。『あぁ、この人が友美のずっと言ってた薫さんか。言ってた通りの素敵な人だな』って。それが分かった気がして。で、それでもまた会えないかと提案した。会いたい、と。家庭を壊すつもりはない。妻である友美の事は愛してるし、もちろん健人も。それでも会いたいと言った。都合のいい話だと思うだろうけど、友美も薫も二人とも僕は愛しているんだと思う。でも、そうはいかなくなった。どういう経緯なのか分からないけど、友美はその事を知った。そして二人の間でどうなっているのか僕には分からないけど、君たちはそのことを認識し合っている。でも、何故か何事もなく僕と薫の関係は続いた。僕だけが3人の関係に気づかないでいた期間がどれくらいだったのか分からない。君たちがどういう気持ちだったのかも分からない。でも、その関係も続けるわけにはいかなくなった。友美が病気になってしまったから。僕はその事を薫から知らされた。で、ここからが僕の提案とお願いなんだけど、僕たち3人の関係をどうするのかと友美の病気の事は、分けて考えるべきなんじゃないかと思うんだ。君たち二人にはさっきも言った通り、僕には計り知れない強い関係と絆がある。だから薫、友美のそばにいて支えてやってくれないか。それが一番いいと思うんだ、友美にとって。頼む」と言って頭を下げる。
薫(姿は友美)は「それが良いと思う、私は。あっ、薫が良ければ」と話し、友美(姿は薫)は「私もそうしたい」と話すため、洋介は「良かった。友美をよろしくお願いします」と言って再び頭を下げる。
入院する日になり、友美と薫の親友・三上春子(佐藤仁美)は夫・光雄(尾美としのり)に友美の病気の事を話して「何で何にも悪いことしてない人がそんな目に遭うんだろう。納得できない、ホントに。私が何も言わないから自分からは何もしないんだ。私は友美の手術が終わるまで、何も言わないって決めてるの。大事な友達が生きるか死ぬかの闘いをしてることに比べたら、あまりにくだらない。だから言いたくもないし考えたくもない。友美の事だけ考えたいの。できれば友美の手術が終わるまで出て行ってほしい。嬉しそうだから今の取り消し。自分だけ楽しもうったって、そうはさせないわよ。罰が当たるわよ!」と言い放つ。
洋介は会社で上司から「次のシンガポール、お前に行ってもらうからな。まぁ仮にコンペが通ったらだけどな。他に誰がいるんだよ、あのプロジェクト任せられる奴が。お前だって自分で見届けたいだろ?まぁ長くて3年だよ、よろしくな」と言われる。
友美と薫と春子とで一緒に病院へ行き、薫は病院の人に頼み倒して3人で病室に泊まることができるようにしてもらう。
その夜、友美(姿は薫)は薫(姿は友美)と春子に「ちょっと私の自慢話をしようかな。私ね、結構すごいんだよ。映画のプロデューサーなんてさ、俳優じゃないし監督じゃないし、世間の人には何やっているかよく分からないと思うんだよね。実際やってる事は地味なんだよ、調整役っていうかさ。でもね、私の関わった映画が好きで、私みたいになりたいって言って私のいる会社に入ってきた人だっているんだよ。それって結構すごいことでしょ?まぁ残念ながらちょっと優秀とは言えないんだけどね。って言うか、うちのスタッフ全然ダメで、私がいないとどうにもならないの。でもそれだけ頼られてるっていう事なんだけどね。だからさ、神様は早川薫をこの世界から消したりしないと思うね。困る人がいっぱいいるから。あなたたち二人だって困るでしょ?だから早川薫はいなくなったりしません。早川薫は大丈夫」と話す。
翌日、手術の日になり、洋介はガラス越しに友美たちが歩くのを見つけ、友美(姿は薫)だけ洋介に気づき、洋介は軽く頭を下げてロビーで一人待つ。
薫(姿は友美)は友美(姿は薫)と春子に自分の左胸を触らせて「悪くないおっぱいだったよね。でもさ、無くなっても私は十分いい女だわ。じゃあ、やっつけてくる」と話し、友美(姿は薫)は「よろしく」と声を掛け、薫(姿は友美)は手術室に入っていき・・・
というような内容でした。
※申し訳ありません、洋介発言が衝撃的だったので、洋介メインの感想となっています
そして、洋介に対しては否定的な感想が多いかも? 悪しからず・・・
いやぁ・・・想像を超えていたわ、洋介ーーー!!
彼なりに色々と考えたのでしょうけどね。
友美と薫との関係性については「二人が入れ替わっている」という事以外はほぼ言い当てているので、この洋介の長語りを第7話以降に一番最初にダイジェストで出しませんか、NHKさん?(アナウンサー調の無機質なナレーションではなくて 笑)
でも、妻と愛人の前で、愛人との馴れ初めを話すなんて、洋介はやっぱりすごい人だわ
しかも「二人とも僕は愛している」と。
もし入れ替わる前の友美でこんな話し合いをしたら、友美は取り乱したのではないかな?(薫に掴みかかって階段から落ちてしまった位ですから)
どれだけ友美の事を「強い女性」だと思っているの??
やはり妻としては「結婚することで夫を独占している」と思うのが通常の考えだろうから、「君の事は愛しているけど、この人の事も愛している」と言われても普通は受け入れられませんよね・・・。
まぁ、家にお金を入れてくれる+世間体さえ守ってくれればと割り切れる妻もいらっしゃるでしょうが、友美はそういうタイプでは無かったようですし・・・。
それにしても『抱きたい、自分のものにしたい』発言は衝撃的でした
あと洋介は、友美にバレていると感づいていても薫との関係を続けようとしていた
そりゃあネットで叩かれますわ。
でも、悪いのは洋介であって、脚本家の岡田さんであって(笑)、演じている直人さんご本人ではありませんから!
(相当なブーイングでしたね~。NHKドラマの公式ツイッターも、フォローツイを入れていました)
洋介は入院2週間前まで乳がんの事を知らされず、手術の日も会ってもらえずにロビーで待っていることについて、さすがに洋介が可哀想だと思う方もいらっしゃったようですが、
スミマセン、私は友美の行動は当然のことだと思って観ていました。
自分もそうすると思います(私、すっかり友美になりきってドラマにのめり込んでいる? 笑)。
他の女を抱いている夫に、どう話したらいいか、どう接したらいいか・・・
健人がいるからまだ3人で家に一緒にいるけど・・・
藤木直人は失いたくないけど・・・(勝手に妄想してスミマセン)
まぁ色んな思いはあるけど、取りあえず病気を治すことでいっぱいいっぱいで、洋介の事はそれこそ後回しだよ!と思うかな、と。
自分の体に病気があると精神的なゆとりがなくなる・・・私、メンタル弱いので、精密検査とかまで行くとよくこういうことに陥ります。。。
友美も、洋介の事を考える精神的な余裕はなくて、洋介が健人を大事に思っていることは分かっているから健人のことは任せて、あとは治療に専念・・・ということだったのかな、と。
そして、洋介もその事はよく分かっていて、それで「僕たち3人の関係をどうするのかと友美の病気の事は、分けて考えるべきなんじゃないかと思う」と話したのだと。
友美は自分よりも薫に頼った方が治療に力が発揮できる(友美に余計な事を考えさせないですむ)と考えたから、そっと見守ることにしたのだと・・・と思いながら観ていました。
洋介はきっと合理的なんですよね。結果重視というか。
理系ではない(過程は大事にしない)とは思います。
洋介は、まず友美の体を優先して、薫には友美の親友として友美を支えてほしいと言っていたけど、
友美が退院したら薫とはどうするのだろう?
入れ替わっていなければ「薫と別れて友美とだろ!」もしくは「洋介が家を出て行きなさい!」と思うのですが、入れ替わっていますからね
というか、洋介に選ぶ権利はないか(笑)
健人のためには薫(姿は友美)と洋介が一緒にいることがいいのだろうけど、完全にスッキリ別れると友美(姿は薫)が可哀想・・・
そして不倫の事さえなければ洋介は「夫として(※セックス以外で)」「父親としては」完璧な男なので一緒にいるメリットは大きいけど、自分を愛してくれているとはいえ他の女性の事も愛していると言う男性と一緒に住み続けることができるのかどうか・・・
そこで出てきた「シンガポール転勤話」www
いやぁ・・・第2話の感想で「藤木直人よくあるあるパターン」としてアメリカ行きと書きましたが、かすっちゃったかしら?
安易に「海外ドロン」とならないよう祈るばかりです(たぶん大丈夫だと思いますが、岡田さんなら)。
手術の前夜、友美が薫に「早川薫はいなくなったりしません。早川薫は大丈夫」と言った場面は、とても素晴らしいセリフだな~と思いました!
友美と薫の間の友情は永遠だとして、その家族を含めるとどうなっていくのか・・・
このかなり奇妙な三角関係が、今後どうなっていくのかは、とても楽しみと言うか興味深いです。
一方で、春子&光雄の方ですが・・・
光雄は、春子が友美の入院付き添いで遅いって言っている日も冬子と会うのですね
光雄もいちおう冬子の家に行った時に、最初は春子に対して罪悪感を感じているような描写がありましたが・・・
でも冬子は、そんな光雄の様子を察知してか、かなりグイグイいっていましたから、光雄は冬子とは別れることができなさそう?
洋介の場合は、「通常の人とかけ離れた恋愛観」を持っているダメ男、とはいえ2人の女性を幸せにしようとしているけど、
光雄の場合は、優柔不断なダメ男で、2人の女性をどうしていいか分からなくて2人とも傷つてしまいそうになっている・・・
という感じでしょうか?
来週は光雄も修羅場?
洋介の方は今週修羅場だったとはいえ、よく分からない洋介ワールド(ディレクターさん曰く『藤木フィルター』?)で重い修羅場にはならなかったけど、
光雄の方は本当に重い修羅場になりそうな・・・
今からドキドキです!
________________
最後に、直人さんについてもう少しだけ。
洋介の考え方は直人さんの中にはない考えだったということでしたが、不思議な洋介ワールドが出来上がっていて、とても素晴らしかったな~と思いました。
たくさんの人が洋介の発言に怒っていましたが・・・その反応は制作者側も、直人さん自身も思っていたことだっただろうから、それはそれで思惑通りで良かったのではないかな、と私は思ったのですが・・・。
洋介バッシングをしている方は、ドラマの内容に入り込んでいて、友美の代わりに怒り、でも、それでも続く友美と薫と洋介の関係に興味を引き続き持っているから、バッシングしつつもドラマを観ているのではないか、と。
洋介の事をありえないと思う半面、妻の事も健人の事も薫の事も一生懸命愛してきた洋介を今まで観てきたから、「もうこんなドラマなんか観ない」という投稿にはならないで、怒りつつも見守っているということなのでは?と、勝手にいい方向に解釈していました。
「日本映画navi」で黒崎ディレクターが語られていた『藤木フィルター』。
普通の男があんなことを言ったら大変なことになるけど、藤木直人が演じる洋介が言うと「そういう考えもあるのか・・・!?」とスーッと超えてしまわなくもない、というような事が書かれてあったのですが、読んでいて私も激しく同意!でした。
直人さんはやっぱりハマり役だな、と改めて思った昨日今日でした。
他の俳優さんにはない、不思議な雰囲気を持った男を観ることができて、とても嬉しいです。
・・・とはいえ、やっぱり「藤木直人サイテー」というようなツイートを多く見ると、居たたまれない気持ちも持たないわけではなく・・・
フォロー的な感じで、岡田さんのラジオや他のNHK番組(あさイチとかスタパ)で洋介を取り上げていただけると(直人さん出演で♪)、なお嬉しいです
取り留めもない長い感想になり、申し訳ありませんでした
お気に障る部分があるかもしれませんが、その時はスルーしてください!
上手くまとめきれず、ドキドキしながら投稿しています・・・
←web拍手です。
※これまでの感想
第1話 第2話 第3話 第4話 第5話
※公式HP(こちら)
星野洋介(藤木直人)は慌てて自宅に戻り、妻の姿をしている早川薫(姿は妻・友美/永作博美)にがんなのかを尋ねると、薫(姿は友美)は「薫に聞いたの?認めちゃうんだ、薫と一緒にいたこと。いいんだ、それで」と話す。
洋介が「何で言ってくれなかったの、体の事!」と怒ると、薫(姿は友美)は「話そらさないで。薫に私ががんだから早く帰れとでも言われた?で、急いで帰ってきた訳?そりゃあ奥さんが病気だったら、他の女と遊んでる場合じゃないもんね。で、終わり?お遊びは。それどころじゃないから。そうでしょ?そう言ってあなたを送り出した女の気持ち考えた?」と話す。
洋介がそれでも自分に病気の事を話さないのはおかしくないかと怒り、「最近感じが変わったよね、友美。薫さんと俺とのことが原因?別に逃げるつもりはないから。友美、病気の事ちゃんと聞かせてくれないか?」と話すと、薫(姿は友美)は乳がんが進行していて左胸を切除するために再来週の木曜日手術すると話す。
洋介が「友美…大丈夫なの?」と尋ねると、薫(姿は友美)は「大丈夫なわけないでしょ!」と怒るが、息子・健人(橋來)が夫婦喧嘩をしていると思って心配そうに部屋から出てきたため、薫(姿は友美)は健人と共に寝室に行ってしまう。
翌朝も健人が元気がなさそうにしているため、薫(姿は友美)は「たまにはサボっちゃおうか」と言って幼稚園は門の所でサヨナラをし、伊豆まで電車に乗って出かける。
薫(姿は友美)は健人と浜辺でたくさん遊び、浜辺近くの旅館に泊まることにし、洋介には電話で伝える。
翌朝、薫(姿は友美)から連絡を受けて友美(姿は薫/石田ゆり子)が伊豆にやってきて、薫(姿は友美)が「本当なら母親であるあなたが言うべき事かもしれないけど、でも私、言いたいんだ、あの子に病気の事。こんなこと言ったら嫌かもしれないけど…言ったよね、産んだから母親になるんじゃない、母親になろうと努力したからなれるんだって。私、ちゃんとあの子の母親になりたいの。だからゴメン、私が言いたい。見届けてほしい」と話すと、友美(姿は薫)は「分かった」と答える。
薫(姿は友美)は健人に「ママはね、今とても重たい病気にかかっているんだ。ママの体の中にはね、悪いバイ菌みたいなのがいっぱいいて、ママの体を自分たちのものにしようとしているの。でもね、ママは闘ってるの。悪い奴らと一生懸命闘ってるの。それは何故かと言うと、あなたの事が大好きだから。ママは健人とずっと一緒にいるために頑張ってるんだ。闘ってる。負けないよ、ママ。だって、健人のママは強いでしょ?うん、負けない。でもね、これからママは悪いバイ菌たちと最後の闘いをしなきゃならないの。病院で、先生方と。だからちょっとだけ健人と会えなくなるんだ。やっつけるのに時間がかかるからね。分かる?我慢できるよね、健人?ママの応援してくれるよね?」と話すと、健人は「はい」と答え、二人は泣きながら抱き合う。
ある夜、洋介は薫を自宅に呼んで友美と共にリビングに座らせ、自らの思いを話し始める。
「2人に僕の頼みを聞いてほしい。君たち2人は親友だ、昔からの。少し疎遠にはなっていたみたいだけど、僕には分からない深い絆のようなものがあるんだと思う。薫とは仕事で出会った。うちの社が協力した映画祭の会議で。僕はその席で薫を素敵な人だなと思った。友美とはタイプの違う女性だと思った。薫は当たり障りのない意見しか言わない男たちに対して、一人だけ自分の意見をハッキリ言った。そして、映画への愛や熱意を語った。強い口調で。男たちはみんなどこか失笑していた、その青臭い意見に対して。現実はそうはいかない。僕も立場としてはそちら側の人間だ。でもそれが素敵だと思った。いい女だと思った。『抱きたい、自分のものにしたい』と思った。で、会議が終わった後、僕の方から誘った。その後、薫が友美の親友で、薫から見たら僕は親友の夫である事が話をしてて分かった。薫は心の底から驚いた顔をしていた。その事を薫がどう思ったのか、僕には分からない。でも、僕は何だか驚いたって言うより腑に落ちたんだ。『あぁ、この人が友美のずっと言ってた薫さんか。言ってた通りの素敵な人だな』って。それが分かった気がして。で、それでもまた会えないかと提案した。会いたい、と。家庭を壊すつもりはない。妻である友美の事は愛してるし、もちろん健人も。それでも会いたいと言った。都合のいい話だと思うだろうけど、友美も薫も二人とも僕は愛しているんだと思う。でも、そうはいかなくなった。どういう経緯なのか分からないけど、友美はその事を知った。そして二人の間でどうなっているのか僕には分からないけど、君たちはそのことを認識し合っている。でも、何故か何事もなく僕と薫の関係は続いた。僕だけが3人の関係に気づかないでいた期間がどれくらいだったのか分からない。君たちがどういう気持ちだったのかも分からない。でも、その関係も続けるわけにはいかなくなった。友美が病気になってしまったから。僕はその事を薫から知らされた。で、ここからが僕の提案とお願いなんだけど、僕たち3人の関係をどうするのかと友美の病気の事は、分けて考えるべきなんじゃないかと思うんだ。君たち二人にはさっきも言った通り、僕には計り知れない強い関係と絆がある。だから薫、友美のそばにいて支えてやってくれないか。それが一番いいと思うんだ、友美にとって。頼む」と言って頭を下げる。
薫(姿は友美)は「それが良いと思う、私は。あっ、薫が良ければ」と話し、友美(姿は薫)は「私もそうしたい」と話すため、洋介は「良かった。友美をよろしくお願いします」と言って再び頭を下げる。
入院する日になり、友美と薫の親友・三上春子(佐藤仁美)は夫・光雄(尾美としのり)に友美の病気の事を話して「何で何にも悪いことしてない人がそんな目に遭うんだろう。納得できない、ホントに。私が何も言わないから自分からは何もしないんだ。私は友美の手術が終わるまで、何も言わないって決めてるの。大事な友達が生きるか死ぬかの闘いをしてることに比べたら、あまりにくだらない。だから言いたくもないし考えたくもない。友美の事だけ考えたいの。できれば友美の手術が終わるまで出て行ってほしい。嬉しそうだから今の取り消し。自分だけ楽しもうったって、そうはさせないわよ。罰が当たるわよ!」と言い放つ。
洋介は会社で上司から「次のシンガポール、お前に行ってもらうからな。まぁ仮にコンペが通ったらだけどな。他に誰がいるんだよ、あのプロジェクト任せられる奴が。お前だって自分で見届けたいだろ?まぁ長くて3年だよ、よろしくな」と言われる。
友美と薫と春子とで一緒に病院へ行き、薫は病院の人に頼み倒して3人で病室に泊まることができるようにしてもらう。
その夜、友美(姿は薫)は薫(姿は友美)と春子に「ちょっと私の自慢話をしようかな。私ね、結構すごいんだよ。映画のプロデューサーなんてさ、俳優じゃないし監督じゃないし、世間の人には何やっているかよく分からないと思うんだよね。実際やってる事は地味なんだよ、調整役っていうかさ。でもね、私の関わった映画が好きで、私みたいになりたいって言って私のいる会社に入ってきた人だっているんだよ。それって結構すごいことでしょ?まぁ残念ながらちょっと優秀とは言えないんだけどね。って言うか、うちのスタッフ全然ダメで、私がいないとどうにもならないの。でもそれだけ頼られてるっていう事なんだけどね。だからさ、神様は早川薫をこの世界から消したりしないと思うね。困る人がいっぱいいるから。あなたたち二人だって困るでしょ?だから早川薫はいなくなったりしません。早川薫は大丈夫」と話す。
翌日、手術の日になり、洋介はガラス越しに友美たちが歩くのを見つけ、友美(姿は薫)だけ洋介に気づき、洋介は軽く頭を下げてロビーで一人待つ。
薫(姿は友美)は友美(姿は薫)と春子に自分の左胸を触らせて「悪くないおっぱいだったよね。でもさ、無くなっても私は十分いい女だわ。じゃあ、やっつけてくる」と話し、友美(姿は薫)は「よろしく」と声を掛け、薫(姿は友美)は手術室に入っていき・・・
というような内容でした。
※申し訳ありません、洋介発言が衝撃的だったので、洋介メインの感想となっています
そして、洋介に対しては否定的な感想が多いかも? 悪しからず・・・
いやぁ・・・想像を超えていたわ、洋介ーーー!!
彼なりに色々と考えたのでしょうけどね。
友美と薫との関係性については「二人が入れ替わっている」という事以外はほぼ言い当てているので、この洋介の長語りを第7話以降に一番最初にダイジェストで出しませんか、NHKさん?(アナウンサー調の無機質なナレーションではなくて 笑)
でも、妻と愛人の前で、愛人との馴れ初めを話すなんて、洋介はやっぱりすごい人だわ
しかも「二人とも僕は愛している」と。
もし入れ替わる前の友美でこんな話し合いをしたら、友美は取り乱したのではないかな?(薫に掴みかかって階段から落ちてしまった位ですから)
どれだけ友美の事を「強い女性」だと思っているの??
やはり妻としては「結婚することで夫を独占している」と思うのが通常の考えだろうから、「君の事は愛しているけど、この人の事も愛している」と言われても普通は受け入れられませんよね・・・。
まぁ、家にお金を入れてくれる+世間体さえ守ってくれればと割り切れる妻もいらっしゃるでしょうが、友美はそういうタイプでは無かったようですし・・・。
それにしても『抱きたい、自分のものにしたい』発言は衝撃的でした
あと洋介は、友美にバレていると感づいていても薫との関係を続けようとしていた
そりゃあネットで叩かれますわ。
でも、悪いのは洋介であって、脚本家の岡田さんであって(笑)、演じている直人さんご本人ではありませんから!
(相当なブーイングでしたね~。NHKドラマの公式ツイッターも、フォローツイを入れていました)
洋介は入院2週間前まで乳がんの事を知らされず、手術の日も会ってもらえずにロビーで待っていることについて、さすがに洋介が可哀想だと思う方もいらっしゃったようですが、
スミマセン、私は友美の行動は当然のことだと思って観ていました。
自分もそうすると思います(私、すっかり友美になりきってドラマにのめり込んでいる? 笑)。
他の女を抱いている夫に、どう話したらいいか、どう接したらいいか・・・
健人がいるからまだ3人で家に一緒にいるけど・・・
藤木直人は失いたくないけど・・・(勝手に妄想してスミマセン)
まぁ色んな思いはあるけど、取りあえず病気を治すことでいっぱいいっぱいで、洋介の事はそれこそ後回しだよ!と思うかな、と。
自分の体に病気があると精神的なゆとりがなくなる・・・私、メンタル弱いので、精密検査とかまで行くとよくこういうことに陥ります。。。
友美も、洋介の事を考える精神的な余裕はなくて、洋介が健人を大事に思っていることは分かっているから健人のことは任せて、あとは治療に専念・・・ということだったのかな、と。
そして、洋介もその事はよく分かっていて、それで「僕たち3人の関係をどうするのかと友美の病気の事は、分けて考えるべきなんじゃないかと思う」と話したのだと。
友美は自分よりも薫に頼った方が治療に力が発揮できる(友美に余計な事を考えさせないですむ)と考えたから、そっと見守ることにしたのだと・・・と思いながら観ていました。
洋介はきっと合理的なんですよね。結果重視というか。
理系ではない(過程は大事にしない)とは思います。
洋介は、まず友美の体を優先して、薫には友美の親友として友美を支えてほしいと言っていたけど、
友美が退院したら薫とはどうするのだろう?
入れ替わっていなければ「薫と別れて友美とだろ!」もしくは「洋介が家を出て行きなさい!」と思うのですが、入れ替わっていますからね
というか、洋介に選ぶ権利はないか(笑)
健人のためには薫(姿は友美)と洋介が一緒にいることがいいのだろうけど、完全にスッキリ別れると友美(姿は薫)が可哀想・・・
そして不倫の事さえなければ洋介は「夫として(※セックス以外で)」「父親としては」完璧な男なので一緒にいるメリットは大きいけど、自分を愛してくれているとはいえ他の女性の事も愛していると言う男性と一緒に住み続けることができるのかどうか・・・
そこで出てきた「シンガポール転勤話」www
いやぁ・・・第2話の感想で「藤木直人よくあるあるパターン」としてアメリカ行きと書きましたが、かすっちゃったかしら?
安易に「海外ドロン」とならないよう祈るばかりです(たぶん大丈夫だと思いますが、岡田さんなら)。
手術の前夜、友美が薫に「早川薫はいなくなったりしません。早川薫は大丈夫」と言った場面は、とても素晴らしいセリフだな~と思いました!
友美と薫の間の友情は永遠だとして、その家族を含めるとどうなっていくのか・・・
このかなり奇妙な三角関係が、今後どうなっていくのかは、とても楽しみと言うか興味深いです。
一方で、春子&光雄の方ですが・・・
光雄は、春子が友美の入院付き添いで遅いって言っている日も冬子と会うのですね
光雄もいちおう冬子の家に行った時に、最初は春子に対して罪悪感を感じているような描写がありましたが・・・
でも冬子は、そんな光雄の様子を察知してか、かなりグイグイいっていましたから、光雄は冬子とは別れることができなさそう?
洋介の場合は、「通常の人とかけ離れた恋愛観」を持っているダメ男、とはいえ2人の女性を幸せにしようとしているけど、
光雄の場合は、優柔不断なダメ男で、2人の女性をどうしていいか分からなくて2人とも傷つてしまいそうになっている・・・
という感じでしょうか?
来週は光雄も修羅場?
洋介の方は今週修羅場だったとはいえ、よく分からない洋介ワールド(ディレクターさん曰く『藤木フィルター』?)で重い修羅場にはならなかったけど、
光雄の方は本当に重い修羅場になりそうな・・・
今からドキドキです!
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最後に、直人さんについてもう少しだけ。
洋介の考え方は直人さんの中にはない考えだったということでしたが、不思議な洋介ワールドが出来上がっていて、とても素晴らしかったな~と思いました。
たくさんの人が洋介の発言に怒っていましたが・・・その反応は制作者側も、直人さん自身も思っていたことだっただろうから、それはそれで思惑通りで良かったのではないかな、と私は思ったのですが・・・。
洋介バッシングをしている方は、ドラマの内容に入り込んでいて、友美の代わりに怒り、でも、それでも続く友美と薫と洋介の関係に興味を引き続き持っているから、バッシングしつつもドラマを観ているのではないか、と。
洋介の事をありえないと思う半面、妻の事も健人の事も薫の事も一生懸命愛してきた洋介を今まで観てきたから、「もうこんなドラマなんか観ない」という投稿にはならないで、怒りつつも見守っているということなのでは?と、勝手にいい方向に解釈していました。
「日本映画navi」で黒崎ディレクターが語られていた『藤木フィルター』。
普通の男があんなことを言ったら大変なことになるけど、藤木直人が演じる洋介が言うと「そういう考えもあるのか・・・!?」とスーッと超えてしまわなくもない、というような事が書かれてあったのですが、読んでいて私も激しく同意!でした。
直人さんはやっぱりハマり役だな、と改めて思った昨日今日でした。
他の俳優さんにはない、不思議な雰囲気を持った男を観ることができて、とても嬉しいです。
・・・とはいえ、やっぱり「藤木直人サイテー」というようなツイートを多く見ると、居たたまれない気持ちも持たないわけではなく・・・
フォロー的な感じで、岡田さんのラジオや他のNHK番組(あさイチとかスタパ)で洋介を取り上げていただけると(直人さん出演で♪)、なお嬉しいです
取り留めもない長い感想になり、申し訳ありませんでした
お気に障る部分があるかもしれませんが、その時はスルーしてください!
上手くまとめきれず、ドキドキしながら投稿しています・・・
←web拍手です。
※これまでの感想
第1話 第2話 第3話 第4話 第5話
※公式HP(こちら)
ネットではそんなにバッシングがあったのですね~(* ̄m ̄)
確かにこの役はそんじょそこらの方が演じると大やけどする役だと思います。
藤木さんの洋介は ゞ( ̄∇ ̄;)オイオイ!ってツッコみたくはなりますが、彼流の美学があるというか、そこが揺るがないから安心してツッコめるというか(笑
常にポジティブだから、回りもこういう人だからしょうがないって感じになるんじゃないでしょうかね~
>光雄の場合は、優柔不断なダメ男で、2人の女性をどうしていいか分からなくて2人とも傷つてしまいそうになっている・・
そうそう!こちらはネガティブというか~自分の意志がないですよね~そもそも一度別れたのに冬子がまた会いにくるとズルズルと・・・
いけませんねぇ・・・(笑
来週は光雄中心の修羅場になるようですが、周りの方がエキサイトしそうで楽しみです( ̄▽ ̄;)アハハ…
それはそうとして3人の友情にじ~んときました。
大人になって友情をはぐくむって結構難しいと思うんですが、バランスよく距離を保ちつつしっかり絆も感じられて・・・そこがしっかり描かれているから見やすいですよね~
ツイッターで「#さよなら私」を見ていたら、洋介バッシングが凄かったです!
役名ではなく俳優名でつぶやいている方も結構多くて(「藤木の役、ヒドイ」ならまだしも、「藤木直人サイテー」とかも結構あったので)、NHKドラマの公式ツイッターが「洋介と藤木さんは別です」とツイートしていました(笑)
>彼流の美学があるというか、そこが揺るがないから安心してツッコめるというか
ホント、スゴイ美学ですよね!
揺るがないで、あんなに堂々と言われちゃったら・・・でもやっぱり私には理解できないというか同意は出来ないですけど(笑)
ツッコミどころが多いけど、本人が大真面目だというのが分かって、面白かったです。
「友美」や「薫の中の友美」はどう考えていくのでしょうね~。
>来週は光雄中心の修羅場になるようですが、周りの方がエキサイトしそうで楽しみです
そうですね!
光雄が話そうとする前に、春子と冬子が怒鳴りだしてワチャワチャするのは目に見えていますよね~。
どうなっちゃうのだろう(^m^)←なぜかちょっと楽しみ♪
>3人の友情にじ~んときました。
同年代だからこそ、青春時代を泣き笑いしながら過ごしてきた親友同士だからこそ、分かり合える部分が多いのでしょうね。
数年会わなくても、会えばすぐに昔の感じが蘇って励まし合える・・・
きこりさんの所のコメレスに書かれてありましたが(ありがとうございます!)、初めは専業主婦vsキャリアウーマンだったのがこうして肯定し合えて讃え合えて・・・
とても良い展開でしたね。
入れ替わっているから分かりにくい所はありますけど、深く描かれているのでジーンと沁みてきます!