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査読が遅い……?投稿したジャーナルへの催促のタイミング

2022-05-17 09:12:44 | エナゴアカデミー人気記事

こんにちは、エナゴアカデミーです。

投稿したジャーナル誌から返事を待つ時間は、みなさん長く感じるようで、「査読 遅い」「査読 催促」などのキーワードでたくさん検索されています。論文の審査に要する時間は、分野によって様々で、1か月待たずに返信が来るジャーナルもあれば、1年以上待たされることも稀にあるようです。

今回は、段階別に、編集者の時点で不採択となってしまう”エディターキック”に要する時間、また査読者にまわってからの返答時間について調べてみました。

 

結論から申しますと、分野・ジャーナル誌によってバラバラです。

バイオ系は比較的テンポが速く、Genome Researchは30日前後でエディターから返答をするとページに記載がありました。数学や言語学系は査読に回ってから半年以上待たされることもしばしばのようです。(参考:数学rnoti-p1607.pdf (ams.org))既に投稿済みの論文に関してはオンラインステータスを確認しましょう。

それぞれの表示ステータスの意味と投稿のプロセスについての過去記事はこちら。

投稿を検討しているジャーナルの待ち時間を調べる場合は、「ジャーナル名」×「turnaround time」などと検索すると、何らかの参考になる情報が出て来ると思います!

 

有力な雑誌は、投稿される論文の数が多いため、出版までの期間が長くなる傾向にあります。また、定期出版物(毎年、隔年、四半期ごとなど)は、出版期間や、それに伴う審査期間に影響します。審査に通ったからといって、すぐに出版されるとは限りません。出版待ちのリストがあり、その号のテーマによって選別されることもあります。
ジャーナルを見極めるのに、論文を書くのと同じくらいの労力が必要という説も…(苦笑)。

 

編集者の決定をどの程度待てるかは、専門分野、投稿した雑誌の質、卒業や昇進などの申請を目前に控えた緊急事態など、さまざまな要因によって決まります。

審査にかかる時間の目安は、ジャーナルのウェブサイトに記載されていることもありますが、何の情報も出ていない場合、そのジャーナルで発表された論文をチェックし、どこかにデータがないか調べてみましょう。オンラインで公開された論文はほとんどの場合、投稿日、採択日、公開日を明記しています。投稿日から採択日までが審査にかかった時間ということになります。

 

編集者からの返事は1~2ヶ月待ってみましょう。晴れて査読に回った論文のステータスに変化が見られない場合、4か月は待つことをお勧めします。その後も、何も返事がない場合、ジャーナル編集者に対して丁寧な催促メールを書いても失礼にはあたりません。編集者自身も現役の研究者だったり、過去に研究者だった人で、投稿後に連絡を待つ著者の不安はよく理解しているでしょう。

以下はジャーナル編集者への問い合わせメールの例文です。

Dear [(性別・ポジションなどが分かる場合は敬称も)編集者の氏名],

This is with regard to our submitted manuscript, [問い合わせ番号], titled “論文のタイトル,” submitted on [投稿日] for consideration as a [種類(原著論文/Case Reportなど)].

We have not received any updates regarding the status of our manuscript in the review process. Could you inform me on when we can expect notice of the editorial board's decision?

Thank you for your time and consideration. We look forward to hearing from you.

Sincerely,

[著者名と連絡先]

お役に立てれば幸いです。


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