ラパロスコピストの夢

大阪梅田で子宮内膜症と闘うラパロスコピストのblog
子宮内膜症、子宮筋腫に対する腹腔鏡下手術はどこまで進歩できるか?

はじめにお読みください

健保連大阪中央病院に勤務するラパロスコピスト(腹腔鏡術者)のブログです。婦人科腹腔鏡下手術、子宮内膜症、慢性骨盤痛等の治療を専門としています。

このブログでは腹腔鏡下手術、子宮内膜症、子宮筋腫に関する基本的な事柄については解説していません。まず、下記のウェブサイトをご覧になることをお勧めします。
日本子宮内膜症協会
子宮筋腫・内膜症体験者の会 たんぽぽ

手術を希望される方はこちらをご覧ください。

医療相談、ご質問にはお答えしませんのでご了承ください。

おすすめの本はこちら?ブックス・ラパロスコピスト

斜陽産業?

2006-02-23 | 医療全般
【潰れる会社の見分け方】
「値下げして潰れる会社はたくさんあるが、値上げして潰れる会社はない。
値下げをするということは、粗利が減ることである。その分、いままでの売り上げを稼ぐためには、値下げ率の何倍もの努力をしなければならない。つまり、忙しくなって考える暇さえなくなって、潰れてしまうのだ。身体を忙しく動かしても、利益はアップしない。頭に汗をかくことによってこそ利益はアップする。」(仕事のヒント p.103 神田昌典著)

2006年度の診療報酬は3.16%引き下げられる。(過去最大の下げ幅)しかも1990年からずっと引き下げられ続けているらしい。多くの病院で経営は難航し、人手不足は続いているにもかかわらず・・・値下げしたくないのにさせられてしまう悲しさ・・・

神田昌典氏によれば、値下げ率の何倍もの努力をしなければならず、忙しくなり考える暇さえなくなって潰れてしまうそうだ。これでは皆燃え尽きてしまう、斜陽産業じゃないか!

これからは保険診療に未来はないのかもしれない。自由診療(体外受精、UAE、MRgFUS)に走るか、国外に脱出するかしかないのか?
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7人

2006-01-29 | 医療全般
昨日は当直だった。
午前0時から午後8時まで、何と7人が分娩!
忙しいとか疲れたとかを通り越して、ただ、呆れるのみ。

プレジデント2.13号の記事で、睡眠不足は体の凝りを発生させ、
筋肉疲労が積み重なる(松井秀喜の「大リーグ日記」)・・・とある。

わかるような気がする。
当直と手術が続くとボロボロになるのだ。
やっぱり、産科と腹腔鏡下手術は共存できないのだと納得した。

ともかく、今日はよく眠ろう。
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医師はお得か?

2005-10-19 | 医療全般
週刊朝日10/21日号に”東大vs.医学部「勝者」はどっち”という記事があった。最近は東大離れが進んで医学部が人気だそうだ。この記事を読んでみると、東大のローカル化が進んでいて関東の進学校は東大へ、西日本は医学部に進むという傾向があるようだ。東大を出ても西日本ではあまり良い就職口がないというのも背景にあるらしい。

うーん、本当に医師が良いのだろうか?医師免許という資格があるから、それなりに安定はしているかもしれない。でも勤務医は重労働のわりに意外と薄給、責任を問われるリスクも高いということを忘れてはならない。また、医療制度改革などで今後医療費も削られていくだろうから、決して医師の将来は安泰ではないと思う。

安定しているという理由だけで医師という職業を選ぶとしたら、それは大きな勘違いかもしれない。
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医師不足再び

2005-09-23 | 医療全般
厚生労働省のホームページに“医師の需給に関する検討会中間報告書”が公開されている。

平成29年には医師は過剰になるという推計が示されている。わずか12年後のことだが、産婦人科ではそのような雰囲気はみじんも見られない。むしろ、これから50-60代の産婦人科医が引退していくために10年後には極端に不足しているということもありうる。

そうなっていくと、産婦人科医の不足→少ない産科医で多くの分娩を管理→婦人科手術までは手が回らず→腹腔鏡下手術の研修も進まない→腹腔鏡の技術が上がらず開腹手術ばかりが行われる・・・・なんてこともありうる。もしくは、患者は腹腔鏡下手術のできる医師、病院に殺到して、腹腔鏡のできる婦人科医が消耗して燃え尽きるというシナリオもありうる。(かくいう私もかなり消耗しているので・・・)

ちなみに私が医師になるころの話だが、産婦人科では分娩が減少しているので産婦人科医になっても仕事がなくなるのではないかと言われていた。しかし、実際には医事紛争が多いことや当直業務などが敬遠されて、分娩の減少を上回るスピードで産婦人科医が減少・・・まさかこんなことになるとは予想もしていなかった。

最近の研修医は内科とかマイナーな科を志望する人が多い。しかし12年後には医師の供給が過剰になると言われているのなら麻酔科、小児科、産婦人科など医師が不足しているところに行く方が絶対にいいと思う。

さて、平成29年、いったいどうなっているだろうか?(まるで人ごとみたいだなぁ・・・)
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クローズアップ現代(産科医が足りない)

2005-09-22 | 医療全般
8月23日、クローズアップ現代で産科医が足りないという特集があった。

“青森県の十和田市では地域の中核病院までもが産婦人科を休止、お産ができる場所を求めて妊婦が隣町の病院に殺到し、産科医療は破綻寸前の状態になっている。病院側では医師の確保に追われているが、勤務が過酷であること、訴訟が多いことなどが原因となって、なり手不足は深刻だ。 大阪市周辺では非常勤医師を確保するための当直手当が高騰し、引き抜き競争が起きるほど深刻な状態が続いている。”

その解決策として二つの方法が紹介されていた。
・セミオープンシステム
妊娠末期までは分娩をしていない開業産婦人科医に診てもらう。分娩が近くなると分娩する予定の病院を受診する。外来受診者数が減少するので人員をそれだけ分娩や手術に集中できる。
・院内助産院
正常産は院内に開設した助産院で行い、助産師により分娩は取り扱われる。医師は立ち会わない。

うーん、確かに人的資源を有効に活用するという試みのようだが、肝心の産婦人科医をいかに増やすかということには方策がないようだ。産科医不足は深刻だ。先日、この話をアメリカ出身のネイティブスピーカーにしたが、「で、医学生を産婦人科に引きつけるためにどのようなことを政府はしているの?」と聞かれた。いかにも、アメリカ的な考え方だ。

あぁー、何もしていません・・・
というか、医局や学会すら何もできていないようだから・・・少なくとも勤務条件が改善しない限り、産婦人科医は増えないだろう。せめて、私は内視鏡手術で頑張って、産婦人科医を少しでも魅力的な職業にしたいと思うが・・・
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