職員自身もあまりうまく研げないのですが、鉈研ぎの前に学生に説明していることです。
語呂がいいので覚えるといいですね。
研げる理屈が分かります。
砥粒 ・ 気泡 ・ 結合材
1 砥石の三要素
砥 粒
刃物を削るためのもの。
摩耗すると脱落して新しい砥粒が出てくる。
気 泡
刃物を削ると発生する”カス”と”熱”を解消する役目。
気泡(空隙)がなければカスの排出がでず、うまく研磨ができない。
結合材
砥粒をつなぎ合わせている接着剤。
固すぎると砥粒が脱落せず研げない。
2 研ぎ
粗砥石、中砥石で研ぐと
刃先が粗い鋸状になる。
* 鋸状の形状が重要であり、完全に滑らかにすると切れが悪くなる。
仕上砥石で研ぐと更に小さな鋸状の刃先となる。
* 切り口がなめらかになる。
3 カエリ
刃物を研いていると
刃先に少し”カエリ”ができます。時々指の腹で刃先を確認しながら研ぐ。
確認できたら反対側から研ぎ”カエリ”を無くしてください。
”カエリ”が取れにくいときは、軽く刀身と平行に研ぐと”カエリ”がよくとれますが、
これをやりすぎると小さな鋸状の刃が無くなって切れが悪くなる。
”カエリ”の確認をする場合、指の腹を刃先にあてて峰寄りに向けて移動すると手が切れる。
今までに何人もの学生がこれで手を切っています。
粗砥石で研ぐだけでも切れますが、砥粒で擦った筋状の跡が刃物にたくさん付いており、
このV形に凹んだ筋状の跡から刃こぼれ(ひづみ折れ)が発生しやすくなります。
このままでは錆びやすくもあります。
研ぎ面がV形に凹んだ筋状の跡を仕上げ砥石で、少し滑らかにすると
刃こぼれが少なくなります。
私事ですが、若かりし頃、ずっとずっと昔、ロータリーレースの刃物研ぎをした経験が
役に立っています。(YAS)
鉈等刃物の取り扱い : http://blog.goo.ne.jp/f-nodai/e/83393be9147f10e25a6d890f79e7c548
刃物研ぎは焦らない : http://blog.goo.ne.jp/f-nodai/e/6bfac7fcf93c2d7e5a9f8dab183e0a5c
面直し : http://blog.goo.ne.jp/f-nodai/e/be1d7f8fad6ac678d428627c2fd75e83
青紙、白紙? : http://blog.goo.ne.jp/f-nodai/e/f00be10f6980ccf5b8b6bb1e69cd4bb3
さなだ紐 : http://blog.goo.ne.jp/f-nodai/e/115e9e3b74b92a8af05630eff09f8bc3
鉈の平の線傷 : http://blog.goo.ne.jp/f-nodai/e/39fd1ba7678064ec329c0f3fff9e5751
斧と鉞 : http://blog.goo.ne.jp/f-nodai/e/15a8075d0df2038b178cc885391183ac
斧の三本・四本の線は何? : http://blog.goo.ne.jp/f-nodai/e/e6b29e34c0d9b50cdd928e7e62eb4ad0