五倍子

2007年09月07日 | ミニ知識
 育苗の実習中に"五倍子"を見つけました。


 早速、実習を中断して説明をしました。

 "五倍子" ご存じですか?

           見たことがありますか?

 虫がヌルデに刺激を与えてできた虫こぶのことを五倍子(ごばいし)
といいます。また、附子(ふし)とも呼ばれています。


 ヌルデの葉っぱです。
  この木を見つけたら注意をしてみてください。
  時々、五倍子を見かけます。


 ヌルデに付くアブラムシ類の刺激で出来た虫嬰(ちゅうえい)すなわち
五倍子を切ると、中は空洞のようになっていました。

 黄色い針の頭ほどの点がたくさん写っていますが、
じっと見ていると少しずつ動きます。これがアブラムシでしょうか。


 資源植物事典(北館)では、虫嬰(ちゅうえい)でタンニンで含有量の
多いものに「ヌルデのみみふし」、「ヌルデのはなふし」、「ヌルデのえだ
ふし」等がある。・・・
 ときに「みみふし」だけを指すこともある。・・・
 タンニンを50~70%含み・・・
 インクの製造、皮のなめしなどに供される 有用なタンニン資源・・・
とあります。


 これは花のように見えますので
   「ヌルデのはなふし」でしょうか。


 葉っぱの裏から見るとこんな感じです。

 昔の日本の既婚女性は「おはぐろ」といって歯を黒く染めていましたが、
これは五倍子の粉を原料にして作った黒色の染料で歯を染めたものです。

 ところでヌルデという名前の由来は、幹を傷つけたときに出てくる白い汁
を塗料として塗って利用したことにあるようです。
 また、五倍子に由来して、別名をフシノキ(附子の木)とも呼ばれています。

 実には、酸味や塩味があり、実の表面できる白い粉をなめると塩辛い味が
するといわれています。海岸部から遠い山間部では、昔これを塩の代用にし
たともいわれており、シオノキ、シオカラノキなどとの別名もあります。

 ヌルデはウルシ科であり、かぶれるどか、かぶれないとか言われています
ので、弱い方はさわらない方が無難でしょう。


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