ようやく試してきました。
"超大物"のF.A.HeckelのC管です。ノーラッカーでクランツ付、FederSpannerはありませんが、グラスリッツ辺りの小さめのドラムロータリーがついてます。多分1940年代の作品でもちろん3代目のTheodorAlwinの作品ですね。
ちょっと小ぶりです。ボアは11mmよりもしかするともう少し細いかもしれません。一瞬"D管か?"と思うぐらいでした。ベル径は12.4mm(正確ではありませんが)で小振りです。
こちらは、Heckel-MeyerのC管と並べた写真です。
ちなみにHeckel-Meyerは12.7mm(上記写真の右側)ぐらいですので、それに比べるとかなり小さめですね。
で肝心の吹奏感は、というと息を入れれば入れるほどよく鳴ってくれます。ppは柔らかい音色で現在の楽器のように1か0か、みたいな狭さではなく息の量に応じて楽器がよく反応してくれます。音程もトータルでは問題ないですが、若干第6倍音が高めかな。全体ピッチも高めですので、かなり主管を抜いた状態でないとアンサンブルできませんが。
OriginalのF.A.HeckelはB♭管がありますので比較しましたが、同じ吹奏感で(当たり前ですが)、吹いていて気持ちいいです。出てくる音の密度が違いますね、Heckelは。
B♭管と並べた写真です。
今回MonkeのC管も一緒に吹き比べましたが、Monkeは味がない分、的確に反応してくれます。道具としては最高ですが、やはり音の密度(倍音の多さなんでしょうか)が違います。使いやすさではMonkeなんでしょうけど。
Heckel-Meyerと吹き比べて実感したのは、B.C.Meyerというマイスターの凄さですね。音の密度と吹奏感はOriginalと殆ど一緒です。ただし、現在の楽器ですので機能性というか反応が早いですので、その分パンパンふけてしまいますので、楽器の持つ許容範囲が少し狭い(吹き手のヘタくそさがわかってしまう)感じがしますが。
F.A.Heckelはppの許容範囲が非常に広いというか軽い抵抗感があるので、もにょもにょした感じでもそれらしく柔らかい音色でカバーしてくれます。ですが一旦息を入れてあげるとどこまでも鳴ってくれる感じです。残念ながら実音High-E♭あたりになると、想定外って感じで音程が厳しくなってきますが(Heckel-Meyerはしっかり鳴ってくれます)。
でも実用音域ではまったく問題ないです。
当て金、凹み、傷、大きな修復痕もなくものすごくいい状態なので、逆に『本当にOriginalHeckelなのか?』と疑いたくなってしまいますが、DetailをB♭管と比べてもまったく変わるところなく、しっかり作られています。
F.A.HeckelのC管は本数が少ない上に(当時はC管を使うオケが限られていた)、状態のいいものが少ないため、B♭管以上に希少ですね。実はOriginalHeckelのC管は別なところからもオファーを受けており、出てくるときは出てくるもんだなぁと感心しています。
こちらのC管も多分すぐうれちゃうんでしょうねぇ。
つづく。
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