貧困、虐待・ネグレクト、DV、パワハラ、性風俗、精神疾患、自傷行為・自殺未遂、そして、再び貧困の果ての絶望とセルフネグレクト。本書で紹介されている貧困女性の事例は、どれもすくいようがないほど痛ましい。
性風俗従事者や貧困当事者への取材経験が豊富だからだろう、これ以上ないのでは、と思うほど、過酷な人生を余儀なくされている女性たちが、いまにも消え入りそうな命をふりしぼるかのごとく、中村さんに悲痛な叫びをうったえかけていく。
この手のルポルタージュは、最後に少しはすくわれるような噺で傷ついた読者のこころを慰撫するものだが、この中村淳彦さんや石井光太さんは、ほんと情け容赦ない。
「死んだ方がまし」としか思えないほどおいつめられないためには、どうすれば良いのか、できる限りの自衛策を講じておくためにも、若い人におすすめしたい本だ。ときとして、フィクションより現実の方がはるかに過酷だ。
目次
第1章 人生にピリオドを打ちたい
第2章 母親には一生会いたくない
第3章 明日、一緒に死のう。死ねるから……
第4章 あと1年半しか仕事ができない
第5章 45歳、仕事に応募する資格すらありません
第6章 子どもの未来が消えていく
終 章 絶望の淵
貧困なんて他人事だと思ってた。奨学金という名の数百万円の借金に苦しむ女子大生風俗嬢、理不尽なパワハラ・セクハラが日常の職場で耐える派遣OL、民間企業よりもひどい真面目な女性ほど罠に嵌る官製貧困、明日の生活が見えない高学歴シングルマザー…東洋経済オンラインで1億PV突破の人気連載「貧困に喘ぐ女性の現実」待望の書籍化!
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