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本と音楽とねこと

世界リスク社会論

ウルリッヒ・ベック(島村賢一訳),2010,『世界リスク社会論──テロ、戦争、自然破壊』筑摩書房(文庫,¥998)'11.3.23

 福島第一原発の事故により、日本社会だけでなく、全世界が危機にさらされているいま、ベックの「世界リスク」についての警鐘は、いっそうの切迫感をもって受容されるだろう。
 全人類を何百回と殺戮できる大量の放射性物質が拡散していくさまを、以下のフランス放射線防護原子力安全研究所によるシミュレーションで見ると、わたしたちがもっと「世界リスク」についての認識を深めておくべきだったことを痛感する。

http://www.irsn.fr/FR/popup/Pages/irsn-meteo-france_19mars.aspx

目次
言葉が失われるとき―テロと戦争について
世界リスク社会とは何を意味しているのか
テロと戦争
経済のグローバル化と新自由主義
国家と主権
展望―世界リスク社会のチャンスについて
世界リスク社会、世界公共性、グローバルなサブ政治
世界リスク社会論の準拠点
世界公共性とグローバルなサブ政治の徴、成立条件、表現形式

現代社会が生み出したリスクは、われわれの世界をどう変えたのか?国境を無効化してしまうテロリズムの遍在と、それに対抗して形成される「対テロ連合」という諸国家間の結束。環境破壊や核の脅威をもたらす一国家の決断に対する、国を超えた草の根レベルの運動の勝利。リスクはグローバル化を促進し、内外、上下、あらゆる角度から「国家」という枠組みを掘り崩して、近代社会の根本原理に見直しを迫っている。このリスクにいま、いかなる危機と可能性が秘められているのか。現代ドイツを代表する社会学者が鋭く切り込む。『危険社会』の著者によるもっともわかりやすくコンパクトな入門書。

※福島第一原発の核燃料がすべて流出し生物濃縮が進行していく、このことを前提に書いた部分を削除しました。(3/26)

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