1987年に札幌市白石区にて母子世帯の女性が生活保護申請を拒否された挙句に餓死した事件は、長年にわたって読み継がれてきた本書により、広く知られることとなった。
行間から筆者のやり場のない怒りが感じ取られるが、冷静に、生活保護行政による「殺人」の背景にある問題群があぶり出されてくる。
もちろん福祉事務所の職員にも責任はある。しかし、福祉削減にだけは余念がない冷徹な国家行政と、それを支持する国民の救いようのない無知、冷酷ぶりには、背筋が冷たくなる思いがする。
目次
餓死に追いやったのは誰か
そして“餓死”
福祉事務所に困窮を訴えたが
サラ金
人間の尊厳
今、全国いたるところで
福祉事務所に抗議殺到
しらを切り、うそぶく当局
生活保護法の本旨は立派だが
申請書をまず渡さない
申請段階を通過したとしても
東京が老母が抗議の自殺
「適正実施」という名の完全犯罪
“保護者なんかバカばっかだ”
生活保護って何だ
福祉行政をおおう自己規制
闇のなかの光―善意と勇気の群像
たった一人からの勉強会
札幌市職員組合のアピール
ひと粒ひと粒の善意が
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