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なんといっても本書最大の売りであろう見田宗介とセクハラ芸人、大澤ぺーとの対談はたいしたことなかったが、トルコでえらい話題になってるらしい柄谷行人の資本主義社会論はなかなかおもしろかった。自死の文化史として興味深い山折哲雄「現代の往生試論その1――死の作法」ほか、良質のエッセイがいくつかあって、おすすめだ。
[特集1 21世紀の市民社会――新しい共同性の論理]
21世紀の市民社会がそなえる、あたらしい自由な共同性とは何か、貨幣的尺度だけではなく、共同性を保証する経済学とは何か、市民社会のコミュニケーションを支える「公共のことば」とは何かを問う。
●対談 見田宗介+大澤真幸
名づけられない革命をめぐって――新しい共同性の論理
●アマルティア・セン
Capitalism Beyond the Crisis
危機を越える資本主義
●吉原直毅
ヒューマン・セキュリティに関する厚生経済学からのアプローチの可能性
●対談 大塚英志+鶴見太郎
柳田國男の市民――「郷土」から「パブリック」へ
●立岩真也
これからのことについて――「市民社会」の使われ方
[特集2 柄谷行人と世界史]
ポストモダン思潮の歴史的シニシズムに抗して、『トランスクリティーク』や『「世界共和国」へ』などの著作を通して「理念の再建」「実践(道徳)的なものの再建」を探求してきた柄谷行人氏の思想的営為の特集。トルコにおいて柄谷理論がどう受け止められているかについてもレポートする。
●柄谷行人インタビュー
「トランスクリティーク」をめぐって 聞き手/アフメット・オズ
●イナン・オネル
回帰する主体:プロレタリアート――柄谷行人イスタンブル講演の意義
●連載 柄谷行人『世界共和国へ』に関するノート 13
社会主義と協同組合
[コラム]
・辻村英之
コーヒー・スタディツアーの意義
・田中秀臣
Review of the Previous Issue
資本主義の限界と経済学の限界、それがわかる人わからない人
[連載]
・岡崎乾二郎
<活動>へのアートその2――気象学と政治学
・山折哲雄
現代の往生試論その1――死の作法
・岩根邦雄
生活クラブと私の魂胆その2――代理人運動と政権交代
・鈴木一誌
デザイン覚書(17)――視点の行方
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