雇用は、いわゆる解雇権濫用法理により守られているはずなのだが、本書で指摘されているとおり、裁判で解雇不当を訴えるためには、原告側が解雇権が濫用されていることを立証しなければならない。
労使それぞれの利用できる情報の非対称性に鑑みれば、これは不公平なことである。被告(使用者側)が、解雇権が濫用されていないことを立証しなければいけない、これが理の当然だろう。
本書で正しく批判されているとおり、実際に、裁判において、解雇権濫用が認められずに原告(労働者側)が敗訴する判例があいついでいる。
解雇圏濫用が認められ、仮処分で地位保全がはかられても、「就労請求権」が判例で認められておらず、実質、労働者が復職できないのも大きな問題だ。
解雇ルールの新設を含む改正労働基準法が今年6月成立した.有期雇用と裁量労働の拡大もさらに進む.規制緩和推進の流れのなかで,日本企業社会や働く環境はどう変わるのか.解雇の実態,労働裁判の現状,法改正の舞台裏などへの緻密な取材を通して,次世代に手渡すべき「公正なルール」とはなにかを問いかける渾身のルポ.
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