性犯罪やDVの加害者更生についての、信田さん、上間さん、双方のスタンスの違いが、興味深かった。
わたしが女だったら、上間さんにおおいに共感しただろう。被害者がもうこれ以上傷つかないようにケアするのがもっとも大切であり、嫌悪と恐怖の対象でしかない加害者とは関わりたくもない、これがごくもっとうな感覚だ。
ただ、加害者が、虐待や性犯罪の被害者であり、犯行時に「解離」の状態にあったとすれば、どうだろうか?もっとも、性犯罪やDVの加害者は、周到に犯行の計画を練り、「解離」どころではない、「正常」な判断のもと、犯行に及ぶことが多いわけであるから、自らの被害者性により加害が免責されるわけはあるまい。
被害と加害の負の連鎖を断つ有効な手立てはなにか、信田さんの経験に学べる点は多い。
「聞く」の実際。アディクション・DVの第一人者と、沖縄で社会調査を続ける教育学者。それぞれの来歴から被害/加害をめぐる理解の仕方まで、とことん具体的に語りあった対談集。
目次
第1章 言葉を失ったあとで 二〇二〇年一一月二七日
第2章 カウンセリングという仕事、社会調査という仕事 二〇二一年二月六日
第3章 話を聞いて書く 二〇二〇年二月二三日
第4章 加害と被害の関係 二〇二一年三月一二日
第5章 言葉を禁じて残るもの 二〇二〇年三月二七日
第6章 ケアと言葉 二〇二一年五月一一日
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