ジャーナリストとしての問題意識が、学術的に確からしい知見として結実した好著。
イスラエルのテロ対策から出発し、ひとりの人間が、「ローンウルフ」(一匹オオカミ)としていかにして殺傷行為や自爆行為をおかすに至るのか、とくにその心理的機制について明らかにする。実際に起こった事例にもとづいているので、とても説得力がある。
本書で披露されている知見の応用範囲は広い。たいへん興味深く、また「理由のない暴力」をわけのわからないままにしておくのではなく、内在的に理解可能にしていくうえで有益である。
「自分は絶対に正しい」と思い込むと、人間の凶暴性が牙をむく。テロリズム、学校襲撃、通り魔、コロナ禍に現れた「自粛警察」に共通する暴力のメカニズムを気鋭のジャーナリストが解き明かす。
最新の画像もっと見る
最近の「本」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事