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本と音楽とねこと

歪んだ正義

大治朋子,2020,歪んだ正義──「普通の人」がなぜ過激化するのか,毎日新聞出版.(1.25.2021)

 ジャーナリストとしての問題意識が、学術的に確からしい知見として結実した好著。
 イスラエルのテロ対策から出発し、ひとりの人間が、「ローンウルフ」(一匹オオカミ)としていかにして殺傷行為や自爆行為をおかすに至るのか、とくにその心理的機制について明らかにする。実際に起こった事例にもとづいているので、とても説得力がある。
 本書で披露されている知見の応用範囲は広い。たいへん興味深く、また「理由のない暴力」をわけのわからないままにしておくのではなく、内在的に理解可能にしていくうえで有益である。

「自分は絶対に正しい」と思い込むと、人間の凶暴性が牙をむく。テロリズム、学校襲撃、通り魔、コロナ禍に現れた「自粛警察」に共通する暴力のメカニズムを気鋭のジャーナリストが解き明かす。

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